150年の絆を物語る3つの優勝杯 東京で並んだサッカー日本とイングランドの歴史
150年の絆を物語る3つの優勝杯 日本とイングランドのサッカー史

150年の時を超えて東京に集結した3つの優勝杯

2026年3月31日、サッカー日本代表とイングランド代表の国際親善試合を16時間後に控えた東京・MUFGスタジアム(国立競技場)で、歴史的な光景が広がっていた。イングランドサッカー協会(FA)が主催する世界最古のカップ戦であるFAカップの優勝杯、日本の全日本選手権で授与される天皇杯、そして1919年にFAが日本に寄贈したFA銀杯の3つが、初めて一堂に会したのである。

サッカー母国との深い縁が始まった1919年

日本サッカーとイングランドの関係は、今から150年以上前の1873年にさかのぼるが、組織的な交流の始まりは1919年にFAが銀杯を日本に寄贈したことに端を発する。この銀杯の寄贈がきっかけとなり、2年後の1921年には日本サッカー協会の前身である大日本蹴球協会が創立され、天皇杯全日本選手権の前身大会がスタートした。

FA銀杯は第2次世界大戦中の金属供出によって行方不明となったが、2011年の日本サッカー協会創立90周年を機に、友好の証しとして復元された銀杯が再びFAから寄贈された。この歴史的な経緯が、150年の時を経て東京の地で3つのカップが並ぶという稀有な機会を生み出したのである。

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元日本代表選手たちが語るFAカップの思い出

この特別な展示には、イングランドでプレー経験のある元日本代表選手の稲本潤一さんと李忠成さんも駆けつけた。アーセナルやフラムなどで活躍した稲本さんは、FAカップについて「一発勝負の怖さがあり、独特の緊張感があった大会です。アマチュアからプレミアリーグのクラブまでが出場できるため、格下チームが強豪を倒すジャイアントキリングが毎年起こり、それが大きな魅力となっています」と語った。

サウサンプトンでプレーした李さんは「私のデビュー戦がFAカップの試合でした。敵地で強烈なブーイングを浴び、イングランドのサポーターの熱さを初めて実感した瞬間です。あの経験は今でも鮮明に覚えています」と当時を振り返った。

「聖地」ウェンブリーで行われるFAカップ決勝

FAカップの決勝戦は、イングランド代表の本拠地であり「聖地」と呼ばれるロンドンのウェンブリースタジアムで行われる。アーセナル時代に実際にFAカップに触れた経験を持つ稲本さんは「あのカップには特別な重みがあります。通常はイングランドにあるはずのFAカップが、ここ東京にあるのが不思議な感じです。150年の歴史を感じさせます」と感慨深げに話した。

李さんも「3つのカップが並んでいる光景は壮観です。これらは単なるトロフィーではなく、日本とイングランドのサッカー交流の歴史そのものを象徴しているように感じます」とコメントした。

現代に続く両国のサッカー交流

FAカップと天皇杯には、アマチュアからトップリーグまでのクラブが出場できる全国トーナメントという共通点がある。この形式が両国のサッカー文化に根付き、下位チームが上位チームを破る番狂わせがサッカーの醍醐味として愛される土壌を作ってきた。

150年前にサッカーが日本に伝えられて以来、イングランドは常に日本サッカーの手本であり続けてきた。今回の3つの優勝杯の共演は、単なる記念イベントを超え、両国間の長きにわたるサッカー交流の歴史を可視化する貴重な機会となった。稲本さんと李さんという元代表選手の証言とともに、サッカーを通じた国際交流の深さと持続性を改めて感じさせる出来事であった。

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