トランプ氏、ネタニヤフ氏に激怒 イラン交渉停滞で不満爆発
米国のトランプ大統領が、イランとの核交渉が進展しないことに強い苛立ちを募らせ、イスラエルのネタニヤフ首相を電話会談で「クレイジー」と罵倒する異例の事態となった。交渉の長期化に焦りを強めるトランプ氏は、SNSでも怒りをあらわにし、イスラエルがレバノンで戦線を拡大したことを「事態をエスカレートさせている」と非難した。
電話会談での罵倒
米主要ニュースサイト・アクシオスによると、トランプ氏は6月1日の電話会談でネタニヤフ氏に対し、「一体何をやっているんだ。お前はクレイジーだ」と繰り返し批判した。米大統領が「特別な関係」にあるイスラエルの首相を公の場で罵倒するのは極めて異例で、両国関係に緊張が走っている。トランプ氏はここ数日、ネタニヤフ氏の行動に不快感を示し、「イスラエルは世界中で孤立する」と語気を強めていたという。
中間選挙控え早期終結望む
11月の中間選挙を控えるトランプ氏は、支持率低迷につながるイランとの戦闘を早期に終結させたい意向だ。5月下旬にはイランとの「覚書」合意が近づいたとされるが、イスラエルがレバノンでの戦線拡大を示したことでイランを刺激。6月1日にはイランが「米国との交渉を停止する」と報じられ、交渉は暗礁に乗り上げている。
イランへのいら立ちも
トランプ氏はイランに対しても苛立ちを深めている。イランは軍事力で劣勢ながら、ホルムズ海峡を「人質」に取り停戦に持ち込み、交渉では早期決着を急ぐ米国の足元を見て、海峡管理権や高濃縮ウランの引き渡しを拒否する姿勢を崩さない。米紙ニューヨーク・タイムズによると、トランプ氏はイランの回答に時間がかかりすぎると不満を漏らしている。
トランプ氏は6月1日、米CNBCのインタビューで「正直言って、イランとの交渉が終わっても構わない」と述べ、長引く協議を「非常に退屈になってきた」と投げやりな態度を示した。また、SNSでは自身を批判する議員に対し、「ただ座ってリラックスしていればいい。最終的には全てうまくいく」と反論した。
共和党内からも批判
イランは体制指導部が外交・交渉方針を決定しており、焦りを見せない。中間選挙を控える米国とは異なり、国民の審判を受ける機会のない指導部は長期戦をいとわない。一方、トランプ氏に対しては、身内の共和党内から拙速な戦闘終結は「弱腰だ」と批判する声も上がっている。ロジャー・ウィッカー上院軍事委員長は5月下旬、「停戦は大惨事で、全ての成果が無駄になる」と安易な妥協を戒めた。



