ミラノ・コルティナ冬季五輪が閉幕、分散開催が新たな選択肢として確立へ
ミラノ・コルティナ冬季オリンピックが22日に閉幕を迎えました。史上初の試みとなった広域開催について、運営的には可能との見通しが得られ、次回の2030年フランス・アルプス五輪をはじめ、今後の五輪開催の一つの形として確実なものとなりました。
広域開催の現実的な課題と挑戦
ミラノから最遠の会場であるコルティナダンペッツォまでは約400キロの距離があります。記者が約230キロ離れたリビーニョへの日帰り往復に挑戦した際、行きの直行バスで4時間半、帰りはバスと電車を乗り継いで5時間強を要し、未明に帰り着いた時にはめまいを感じたといいます。
リビーニョの記者室の男性職員は、最終バスで帰る計画を伝えると、「ここはイタリアだからね!時間通りには動かないよ。1本早く出た方がいい」と助言しました。このため、夜の決勝競技をほとんど観戦できなかったというエピソードもあり、広域開催は隔絶とほぼ同義であることが浮き彫りになりました。
選手団の苦労と五輪の原点
選手団の拠点が分散したことによる苦労や、他競技の選手と交流できない声を聞くと、人同士の接点の薄さが印象的です。これは、コロナ禍で開催された東京や北京冬季大会を連想させます。
国際オリンピック委員会(IOC)は東京大会後、「五輪の原点とは何かを考えた。それは選手たちが活躍できる舞台だ」と語りました。今回の大会では、その原点を守ることで五輪が成り立つという教訓が引き継がれたのかもしれません。
持続可能性を重視した五輪改革の成果
今大会は、持続可能性を前面に掲げた五輪改革「アジェンダ2020」を招致から適用した初の冬季五輪であり、分散開催はその帰結といえます。五輪改革を推進したトーマス・バッハIOC名誉会長は、「今大会の挑戦は、持続可能性と組織運営の複雑さのバランスをどう取るかだった」と述べています。
冬季五輪の存続を重視するならば、後戻りは選択肢にありません。IOCのカースティ・コベントリー会長は、「新たな開催の形が成功を収めた」と前向きに評価し、今後を見据えています。



