自称「非公式の五輪パラ画家」がコルティナに別れを告げる 17カ所目を描き終え
非公式五輪パラ画家がコルティナで別れ 17カ所目描く (16.03.2026)

自称「非公式の五輪パラ画家」がコルティナに別れを告げる

イタリア北部の山岳リゾート、コルティナダンペッツォの街並みが、淡い水彩のタッチで優しく描き出されている。細やかな筆致は、石畳の路地を行き交う人々の息遣いや、冷たい空気の中に漂う温もりまでも伝えてくる。この絵の作者は、フランス人画家のマーク・アー氏(63歳)だ。

17カ所目の開催地を描き終えて

ミラノ・コルティナ冬季パラリンピックが閉幕した2026年3月15日、アー氏は通り沿いのバーのテラス席に腰を下ろし、ビールを片手に絵筆を握っていた。未明から降り続いた雪で外気はひんやりと冷たいが、その筆致にはどこか懐かしい温かさがにじんでいる。

アー氏は1992年のアルベールビル冬季大会から、五輪とパラリンピックの開催地を巡り、その街の風景を描き続けてきた。今回のコルティナダンペッツォは、記念すべき17カ所目にあたる。自身を「非公式の五輪・パラリンピック画家」と称する彼の旅は、スポーツの祭典を通じて各地の文化と空気を記録する独自の活動として知られている。

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日本人記者との会話で思い出を語る

取材に訪れた日本人記者に対し、アー氏は笑顔を見せながら語りかけた。「長野は大変だったよ」と、1998年に開催された長野冬季大会の思い出をほのめかす。記者が約30分間にわたり滞在する間、彼は絵を描き続けながら、過去の開催地でのエピソードをいくつか披露したという。

アー氏の作品は、単なる風景画ではなく、その時々の街の雰囲気や人々の感情を切り取った「生きた記録」としての側面が強い。雪に覆われたコルティナの情景も、パラリンピックの熱気が去った後の静寂と、新たな出会いへの期待が交錯する瞬間を捉えているようだ。

また会う日まで

絵を描き終えたアー氏は、コルティナダンペッツォに別れを告げ、次の開催地へと旅立つ準備を始めている。彼の活動は、五輪とパラリンピックが単なる競技大会ではなく、世界中のコミュニティをつなぐ文化的イベントであることを再認識させる。

「非公式」という肩書きながら、その情熱と継続性は、スポーツとアートの融合を示す貴重な取り組みとして評価されつつある。コルティナで描かれた水彩画は、街の記憶とともに、また会う日までの約束を静かに紡いでいる。

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