ミラノ・コルティナパラリンピック 車いすカーリング 111歳ベテランペアが挑戦終えるも「頂点目指し続ける」
パラ車いすカーリング 111歳ベテランペアが挑戦終える (10.03.2026)

111歳のベテランペアがパラリンピック舞台で挑戦を終えるも、未来への誓いを新たに

【コルティナダンペッツォ=成田嵩憲】ミラノ・コルティナ冬季パラリンピックにおいて、年齢を合わせると111歳に達するベテランペアが、堂々たる挑戦の幕を下ろした。昨年の世界選手権で優勝し、メダル獲得の期待がかかっていた車いすカーリング混合ダブルスの小川亜希選手(50)と中島洋治選手(61)=ともに長野県佐久市=は、1次リーグでの敗退という結果に終わったものの、その姿勢と心意気は多くの観客に深い感銘を与えた。

ラトビア戦での健闘と潔い敗戦

準決勝進出が懸かった3月9日のラトビア戦では、序盤から劣勢を強いられる展開となった。5点を追って迎えた第7エンドでは、最大3得点のチャンスを作り出したが、最後は相手選手の決定的なショットが決まり、逆に1点を失って敗戦を認めることになった。それでも両選手は晴れやかな表情で相手選手に握手を求め、スポーツマンシップを遺憾なく発揮した。

中島選手は試合後、「この年齢で大舞台に立てたことは、喜びでしかありません」と万感の思いを語り、パラリンピックの舞台に立つこと自体が大きな達成であることを強調した。

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10年以上にわたる絆と新たな挑戦

小川選手と中島選手が初めて共にパラリンピックの舞台に立ったのは、2010年バンクーバー大会の混合4人制であった。当時は中島選手らのチームに小川選手が助っ人として加わる形だった。4年後もチームメートとなったが、パラリンピックへの出場は叶わなかった。

転機が訪れたのは、混合ダブルスがミラノ・コルティナ大会の新種目に決定したことである。2021年に新たにペアを組んだ両選手は、2025年世界選手権で見事優勝を果たし、パラリンピック出場の切符を手にした。この快挙には、コーチとして加わった現役アスリートの荻原詠理さん(23)=長野県軽井沢町=の後押しが大きく貢献している。

若きコーチからの刺激と信頼の絆

小川選手と中島選手は、荻原さんの幼少期から交流があり、長年にわたる信頼関係を築いてきた。中島選手は「私は一般人です。正直、立派なアスリートではないので」と謙遜するが、世界ジュニア選手権を制した経験を持つ荻原さんから、海外の強豪と戦うための技術や戦略を積極的に吸収してきた。

調子が上がらないまま2勝3敗で迎えた第6戦の前には、荻原さんから「こんな大舞台で後悔してほしくない」と激励された。小川選手は「後でこうすれば良かったと思うことのないように」と気持ちを新たにし、残りの2試合に臨んだ。

大会を通じて、両選手は車いすをぴたりと隣り合わせて作戦を練り続けた。勝っている時も負けている時も、常に協力し合う姿勢を崩さなかった。また、小川選手の右手には荻原さんに書いてもらった「信」の文字が記され、最後まで自分自身と仲間を信じて戦い抜いた。

敗退しても消えない情熱と未来への誓い

1次リーグでの敗退は決まったものの、最終戦まで4強進出の可能性を残し、手応えも得ることができた。中島選手は「プレーヤーとして続ける限り、頂点の大会は目指し続けたい」と力強く宣言。小川選手も「自分たちよりも上の年齢の選手がいる」と指摘し、年齢を重ねても気持ちは若々しいことを強調した。

試合後、健闘をたたえ合ってハイタッチを交わした両選手は、さらなる成長を誓い合った。もう一度、パラリンピックの舞台に戻ってくるために、これからも努力を続けていく決意を固めている。

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この111歳のベテランペアの挑戦は、年齢や障害を乗り越えてスポーツに打ち込むことの素晴らしさを改めて示すとともに、未来への希望を感じさせる感動的な物語となった。