森宏明、スキー距離座位で23位 パワーは4年前の倍も戦国時代に挑む
森宏明、スキー距離座位23位 パワー倍増も戦国時代に挑む (10.03.2026)

森宏明、スキー距離座位予選で23位 パワー倍増も戦国時代の激戦に屈す

2026年3月10日、ミラノ・コルティナ冬季パラリンピック第5日が開催された。スキー距離の男子スプリント・クラシカル立位予選では、川除大輝選手と新田佳浩選手(ともに日立ソリューションズ)がそれぞれ3位と5位で準決勝に進出した。女子予選では阿部友里香選手(日立ソリューションズ)が7位で準決勝進出を決めた。

一方、男子スプリント座位予選では森宏明選手(朝日新聞社)が23位、源貴晴選手(アムジェン)が26位で、ともに準決勝進出を逃した。女子の同種目では佐藤那奈選手(マザックメイト)が18位で予選敗退となった。アルペンスキーでは、女子複合座位で村岡桃佳選手(トヨタ自動車)が前半のスーパー大回転で4位につけ、女子複合立位では本堂杏実選手(コーセー)が10位につけた。

距離男子座位は戦国時代 37選手が激突

距離男子座位種目は現在、戦国時代を迎えている。スプリントには37選手がエントリーしており、立位の30人や視覚障害の17人に比べて最も多い。下肢に障害のある選手が競うこの種目では、全員がフレームとシートで作られるシットスキーを使用する。急斜面を滑り降りるアルペンと異なり、衝撃を吸収するサスペンションなどが不要なため、初期費用を抑えられる利点がある。

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森宏明選手は元高校球児で、高校2年生の時の事故で両足のひざ下を切断した。大学生でこの競技を始め、シットスキーの製作費が約7万円だったことから、「ひと月のアルバイト代でまかなえて始めやすかった」と明かす。元日本代表監督の荒井秀樹副団長は、「各国の選手が最も参入しやすいパラの冬競技だ」と指摘する。

上半身の力が勝負を分ける 砂浜練習で強化

座位種目では、2本のストックで雪面を突きながら前進するため、上半身の力の強さが勝負に直結する。雪のない地域でも強化がしやすく、荒井元監督は「雪よりも足元をとられる砂浜での練習は効果が高い」と語る。ブラジルなど常夏の国の選手が強豪国として名をはせる背景には、こうした練習環境の柔軟性がある。

森選手は前回の北京大会でパラリンピックに初出場したが、スプリントで31位と撃沈した経験から、「海外勢のパワーに負けない土台が必要」と考えた。朝8時から午後4時までのフルタイム勤務後、国立スポーツ科学センターや公共のスポーツセンターに通い、体幹を鍛える日々を送った。

4年間でこぐ力を倍増 手応えつかむもミスが響く

海外勢を参考に腕の使い方を見直し、回転率の高いフォームに変更した結果、スキーをこぐ力は北京時の2倍にまで向上した。昨年3月のワールドカップでは5位入賞を果たし、手応えをつかんでいた。

しかし、この日のレースでは勢いよくスタートを切ったものの、カーブのコース取りでわずかなミスが出た。スプリントは約1キロで勝負が決まり、一つのミスが順位を大きく変える。森選手は「全力は尽くしたけど、トップ選手が速かったり、調子のいい選手が他にたくさんいたりした」と振り返る。結果は23位で、準決勝進出はならなかった。

それでも、「緊張もなく楽しめた。この約2分のレースのために4年間準備をして、納得して臨めた」と、森選手は晴れやかな表情で語った。戦国時代と呼ばれる激戦区で、自身の成長を実感する一戦となった。

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