元ボクシング世界王者・井岡弘樹さん、アルコール依存症で命の危機も断酒を誓う
元王者・井岡弘樹さん、アルコール依存症で命の危機も断酒誓う

元プロボクシング世界王者で2階級制覇を果たした井岡弘樹さん(57)が、長年にわたるアルコール依存症との闘いを朝日新聞の取材に明らかにした。昨年には一時、生命が危ぶまれる深刻な状態に陥ったという。井岡さんは「もう二度とお酒は飲まない」と固く誓い、5月23日に福岡市で開催されるライブイベントで、断酒をテーマにした歌を自ら披露する予定だ。

輝かしい現役時代とアルコール依存症への転落

井岡さんは1986年にプロデビュー。1987年にはWBC(世界ボクシング評議会)ストロー級世界タイトルを獲得し、当時の日本人最年少記録となる18歳9か月で世界王者となった。さらに1991年にはWBA(世界ボクシング協会)ジュニアフライ級王者となり、2階級制覇を達成。3階級制覇を目指したものの果たせず、1998年12月の試合を最後に29歳で現役を引退した。通算戦績は42戦33勝(17KO)8敗1分けだった。

現役中はほとんど酒を口にしなかったが、引退後はほぼ毎日飲酒するようになった。焼酎のロックをグラス10杯分ほど、仲間と賑やかに飲み続けたという。

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飲酒習慣の悪化と入退院の繰り返し

飲み方が異常になり始めたのは2010年代後半ごろ。「300ミリリットル入りの焼酎のボトルを3本ほど、一気に飲んでいた」と井岡さんは振り返る。約3年前にアルコール依存症と診断され、その後治療のため入退院を繰り返した。

昨年秋、トイレで下血し、救急搬送されて内視鏡手術を受けた。妻の絵美さん(54)は担当医から「助からないかもしれない」と告げられた。幸い治療が成功し、井岡さんは一命を取り留めた。

断酒への決意と妻が作った歌

依存症治療のため4度目の入院を経て、今年2月に退院。井岡さんは二度と酒を飲まないと誓った。歌手活動も行う妻の絵美さんが作詞作曲したブルース調の曲「酒はいらん」は、「命削るカンナはもういらん」「次に飲んだら俺は死ぬ」など、断酒への強い決意をストレートに歌い上げる内容だ。福岡市でのライブは、絵美さんが指導を受ける地元のボイストレーナーたちとの縁で実現。チケットはすでに完売している。

井岡さんは「自分と同じようにアルコール依存症で苦しむ人々とこの歌を歌い、断酒の支えにしたい」と語っている。

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