滋賀県内企業の賃上げ動向、約8割が実施へ 離職防止と物価高対応が背景
東京商工リサーチ滋賀支店は、滋賀県内企業を対象に実施した2026年度の賃上げに関する調査結果を発表しました。調査によると、有効回答32社のうち、実に8割近くに当たる25社が賃上げを「実施する」と回答し、企業の賃上げ意欲が高いことが明らかになりました。
資本金1億円以上の企業は全社が賃上げ実施を表明
調査は2026年1月30日から2月6日にかけてインターネットで実施されました。企業規模別に詳細を見ると、資本金1億円以上の5社はすべてが賃上げを「実施する」と回答しました。一方、資本金1億円未満の27社では、20社が「実施する」、7社が「実施しない」と回答しており、規模の大きい企業ほど賃上げに積極的な傾向が浮き彫りになりました。
賃上げの主な理由は「従業員の離職防止」と「物価高への対応」
賃上げを実施する理由については、複数回答で23社が回答を寄せ、最も多かったのは「従業員の離職防止」で19社が選択しました。次いで「物価高への対応」が14社、「新規採用を円滑にするため」が10社と続き、人材確保と生活コスト上昇への対応が賃上げの主要な動機となっています。
今後5年の賃上げ見通し、多くの企業が不透明感を示す
今後5年間の賃上げの見通しについては、回答した23社のうち、最も多い9社が「毎年実施できるか不透明」と回答しました。一方で、「必ず毎年実施できる」と確信を示した企業は2社にとどまり、「高い確率(80%程度)で毎年実施できる」と「おそらく(60%程度)毎年実施できる」はそれぞれ6社ずつでした。この結果から、短期的な賃上げには前向きな姿勢を見せるものの、長期的な継続については慎重な見方が広がっていることが伺えます。
賃上げを実施しない企業の理由は財務的負担とコスト増
賃上げを「実施しない」とした企業の理由については、6社が回答を寄せ、そのうち4社が「既往債務の返済に影響を与える」を挙げました。また、「原材料価格・電気代・燃料費などが高騰している」と「コスト増加分を十分に価格転嫁できていない」はそれぞれ2社が選択し、財務的な制約や経営環境の厳しさが賃上げの障壁となっている実態が明らかになりました。
この調査結果は、滋賀県内企業が人材確保と物価高対策を重視しつつも、長期的な賃上げの持続可能性には課題を抱えていることを示しています。地域経済の活性化に向けて、賃上げの動きが今後どのように広がっていくか注目されます。



