県立広島病院がDMAT車両の更新に向けクラウドファンディングを実施
県立広島病院(広島市南区)は、災害派遣医療チーム「DMAT」が使用する車両の買い替え費用を集めるため、クラウドファンディング(CF)を開始しました。この車両は、災害時だけでなく、患者を他の病院に転院させる際にも活用されており、現行の車両は導入から10年以上が経過し、経年化や車内の狭さが大きな課題となっています。CFでは2700万円を目標としており、寄付の受付は3月31日まで続けられます。
現行車両の課題と運用実績
今回更新を目指す車両は、2014年3月に導入されたもので、約300万円で購入した一般車両を約500万円かけて改装しました。これまで、2016年の熊本地震や2024年の能登半島地震など、大規模災害の現場に派遣され、活躍してきました。平時には患者の転院搬送にも使用され、2024年度には186件、2025年度は12月末までに140件の出動がありました。
しかし、導入から長い年月が経過し、不具合が頻発するようになりました。特に、医療機器が多くの電力を消費するためバッテリーの劣化が早く、過去には突然バッテリーが上がり、出動不能になる事態も発生しています。また、一般車両を改造したため、資機材を搭載するスペースが不足しており、能登半島地震の際には別の車を借りて被災地に向かわざるを得ませんでした。
クラウドファンディングの目的と新車両の展望
同病院は、これらの課題を解決するため、CFを通じて資金を集めることを決定しました。インターネット上で広く呼びかけることで、災害医療への理解を深める機会にもしたいと考えています。新たな車両は、専用設計により十分な設備を備え、安全な患者治療や搬送が可能になる見込みです。
県立広島病院救命救急センターの楠真二センター長(61歳)は、「新車両の導入により、DMAT隊員が仮眠を取れる環境も整い、災害医療の質が向上します。支援いただく方々と一体となって、地域の防災力強化に取り組みたい」と語っています。新車両は来年度中の導入を予定しており、寄付はCFサイト「READYFOR」または同病院の窓口で受け付けています。
同病院は、高度急性期医療を提供する県内唯一の「基幹災害拠点病院」として、2006年度にDMATを設立し、災害医療の最前線を担ってきました。今回のCFは、その使命を果たすための重要な一歩となるでしょう。



