災害ボランティア団体の国データベースが今年度運用開始へ
専門的な技能を持つ災害ボランティア団体などを登録する国のデータベース(DB)の運用が、今年度にも始まります。これは、2016年の熊本地震や2024年の能登半島地震で大勢のボランティアが詰めかけ、現場が混乱した反省を踏まえて昨年7月に創設された国の事前登録制度です。団体の活動実績などの情報を自治体と共有し、迅速な連携や支援につなげる狙いがあります。
制度の背景と目的
災害ボランティア団体の登録制度は、災害対策基本法の改正によって創設されました。内閣府によると、避難所運営や炊き出しの実績などが申請の要件で、国の審査を経て、団体名、活動分野、実績などがDBに登録されます。昨年10月からこれまでに、全国の22団体が認められています。
国は制度の周知を急いでいますが、識者は、実効性を担保するには平時からの関係構築が必要だと指摘しています。団体の情報を自治体が速やかに確認できるように、国は今年度以降、DBを共有するシステムを稼働させる計画です。
現場からの声:支援のスピード向上に期待
「これまで以上に支援のスピードが速められる」。長崎県諫早市のNPO法人「有明支縁会」の草野紀視子理事長(56)は、国の登録制度の意義について語りました。法人は熊本地震を機に、草野理事長らが設立したものです。
メンバーは長崎県内の会社員や教員ら約30人で、2018年の西日本豪雨や2020年の九州豪雨などの被災地に足しげく通い、被災家屋の片付けを手伝ったり、名物の長崎ちゃんぽんやカステラを振る舞ったりしてきました。重機や電動工具の扱いにたけたメンバーもおり、能登半島地震で被災した石川県では、ブロック塀の撤去も引き受けています。
諫早市内にある倉庫には、いつでも運び出せるよう、衣類やタオルなどの物資を備蓄しています。昨年10月には災害ボランティア団体として登録され、草野理事長は「被災地には安心して生活ができない人たちがいる。スムーズな対応につなげたい」と意気込んでいます。
今後の課題と展望
この制度は、災害発生時にボランティア団体と自治体の連携を強化し、支援活動を効率化することを目指しています。しかし、実効性を高めるためには、平時からの関係構築や情報共有の徹底が不可欠です。国はDBの運用開始に向けて準備を進めており、自治体との連携を強化することで、より迅速な災害対応を実現しようとしています。



