知床・羅臼岳ヒグマ事故で再発防止策案を発表 登山口閉鎖基準を初めて明記
北海道の世界自然遺産・知床にある羅臼岳で、昨年8月に下山途中の男性(26)がヒグマに襲われて死亡した事故を受け、環境省や地元自治体などで構成する知床ヒグマ対策連絡会議は2月12日、事故の再発防止策案を明らかにしました。この策案では、ヒグマによる危険事案が発生した際の登山口閉鎖基準を初めて具体的に定めることが盛り込まれています。
つきまとい個体確認で登山口を閉鎖 捕殺後に解除へ
今回の事故では、男性が襲われる2日前に登山者につきまとうヒグマの個体が確認されていました。襲撃個体との同一性は不明ですが、対策案では「つきまとい個体」が確認された場合、直ちに登山口を閉鎖するとしています。問題個体を捕殺した後に閉鎖を解除し、捕殺ができない場合は5日以上閉鎖を継続します。5日経過しても有力な情報が得られなければ閉鎖を解除しますが、登山者には「警戒レベル」として登山道の利用自粛を要請する方針です。
現在、羅臼岳の登山道上でヒグマによる危険事案が発生した際、登山口を閉鎖するかどうかの基準や手順は具体的に定められていません。このため、人とヒグマの「共存」を目指す地域ルール「知床半島ヒグマ管理計画」に、登山道の扱いを定め、登山口の閉鎖や解除の基準を明記することが初めて提案されました。
リスク情報の提供強化も実施 安全対策を推進
さらに、対策案では登山者に対するヒグマのリスク情報提供を強化することも盛り込まれています。これにより、登山者がより安全に行動できる環境を整えることを目指します。昨年の事故では、男性のGPSデータに最期の動きが記録されており、両親は「二度と被害を出さないでほしい」と訴えていました。
知床では近年、人なれしたヒグマの増加が懸念されており、相次ぐクマ被害が社会問題化しています。今回の対策案は、そうした背景を受けて、具体的な行動基準を設けることで、事故の再発防止と地域の安全確保を図るものです。環境省や自治体は、今後も関係者と連携しながら、ヒグマ対策を進めていく方針です。



