2026年5月14日、名古屋市熱田文化小劇場で「なごや平和の日」を記念した平和祈念コンサートが開催され、太平洋戦争末期の名古屋空襲で傷ついたとされるピアノの音色が会場に響き渡った。
戦火を生き延びたピアノ
このアップライトピアノは、1945年5月の名古屋空襲で名古屋市東区徳川町の民家が被災した際に損傷したもの。右側面には焼夷弾によるものとみられる深い傷跡が今も残っている。現在は広島市の調律師、矢川光則さん(74)が所有しており、普段は広島市の「被爆ピアノ資料館」で展示されている。今回が一般公開での初演奏となった。
平和への祈りを込めて
コンサートには市民団体「Peace Music Aichi」が主催し、約200人が来場。名古屋市在住のピアニスト佐藤奈菜さんが、自作曲「祈り」を含む2曲を演奏した。また、広島の原爆で被災したピアノも併せて演奏され、観客は静かに聴き入った。
来場した名古屋市瑞穂区の中学3年生、高木楓さん(14)は「平和のために自分にできることを考えたい」と感想を述べた。
なごや平和の日とは
名古屋空襲は1942年から1945年までの間に計63回に及んだとされ、その中でも1945年5月14日の空襲では名古屋城天守閣が焼失し、多くの犠牲者が出た。名古屋市は2024年にこの日を「なごや平和の日」と制定し、平和の大切さを伝える取り組みを続けている。
今回のコンサートは、戦争の記憶を後世に伝え、平和への思いを新たにする貴重な機会となった。



