埼玉県の鴻巣市、北本市、吉見町の3市町は27日、中東情勢の不安から石油由来のポリエチレン製指定ごみ袋が小売店などで品薄や品切れ状態となっていることを受け、6月1日から30日までの1カ月間、指定外の袋も使用可能にする緊急措置を発表した。
指定外袋の条件と注意点
3市町は埼玉中部環境保全組合を構成し、ごみ処理を共同で実施している。各市町によると、代用可能な袋は透明または半透明で中身が確認できるものに限られる。黒色など中身が見えない袋や、コンビニエンスストアやスーパーマーケットのレジ袋、他の自治体のごみ袋は使用できない。大きさは20リットルから45リットルで、「可燃」「不燃」「容器」などの区分を油性マジックなどで見えやすい位置に明記する必要がある。
北本市の状況
北本市では、3種類ある指定ごみ袋のうち可燃ごみ袋の品薄が最も深刻で、今週に入ってから1日50件以上の問い合わせが寄せられているという。市は指定ごみ袋の製造業者から1年分の原料を確保していることを確認しており、過度な買いだめや買い占めを控えるよう呼びかけている。
物流の課題
3市町で構成する組合は、指定ごみ袋を東京都の業者に発注している。業者の責任者によると、ごみ袋の原材料と在庫は十分にあるものの、各地からの発注が通常の2倍以上に集中しているという。責任者は「ごみ袋を納入するトラックの積載量や配送に限りがあるため、物流が追いついていない。購入者は冷静になり、買い占めやフリマサイトでの転売は控えてほしい」と訴えた。
坂戸市も臨時措置
坂戸市は26日、指定ごみ袋に加えて市販の透明や半透明の袋、白いレジ袋も使用可能にすると発表した。期間は6月15日からで、中東情勢の影響などによる不安の高まりから指定ごみ袋の需要が集中し、今後品薄になると予想されるためとしている。市によると、指定ごみ袋の製造業者から「例年の1カ月分に相当する注文が1週間で入っている」との報告があった。措置は指定ごみ袋の供給が安定するまで継続される。
ナフサ不足が県工事に影響
中東情勢の悪化による石油由来製品のナフサ不足に関連し、大野元裕知事は27日の定例記者会見で、県が発注する工事で資材調達難や工期遅延などの影響が生じていると明らかにした。県の工事では、道路工事に必要なアスファルトや重油、橋梁工事用の塗料などで価格高騰や調達難が発生。県営住宅の建て替えでは断熱材不足による工法変更、特別支援学校のプール改修では防水剤不足による工期延長を余儀なくされている。八潮市内の区画整理事業では、塩化ビニル管不足で下水道整備に遅れが出ている。
県営住宅への影響
県営住宅では、資材不足の影響で退去後の修繕が可能な戸数が減少し、今後の入居者定期募集で予定戸数を確保できなくなる可能性が高まっている。
企業相談窓口の対応
3月に開設された企業向け相談窓口には、今月22日までに302件の相談が寄せられた。当初は将来的な不安を訴える内容が中心だったが、4月以降は資材の価格高騰や調達難、資金繰りに関する具体的な相談が増加している。大野知事は「県内企業は非常に厳しい状況に置かれている」と述べた。4月に設けられた県制度融資の特例枠では、イラン情勢関連で3件、計9500万円の融資が実行された。
買い占めの状況
スーパーやドラッグストアなどでのモニタリング調査では、明らかな買い占めは確認されていない。しかし、先週ごろからごみ袋など一部の商品で「買い増し」による品薄感が生じ始めているという。



