東日本大震災15年、伝承施設来訪者が2年連続減少 持続的運営に課題
震災15年、伝承施設来訪者2年連続減少 持続的運営に課題 (10.03.2026)

東日本大震災15年、伝承施設の来訪者が2年連続で減少 持続的運営に課題

東日本大震災の被害や教訓を後世に伝える施設を訪れる人が、2024年と2025年の2年連続で減少したことが明らかになった。公益社団法人「3・11メモリアルネットワーク」(宮城県)の調査によって判明したもので、震災から15年という節目を迎え、伝承活動のあり方が改めて問われる状況となっている。

来訪者数が減少に転じた背景

岩手、宮城、福島の3県にある42の施設と32の団体を対象とした調査によると、施設の来訪者数は新型コロナウイルス禍を除き、右肩上がりで増加を続けていた。2023年には合計で156万5940人を記録し、過去最高水準に達していた。しかし、2024年から減少傾向に転じ、2025年には合計150万3844人となり、2年連続の減少となった。

各団体や施設では、単に悲劇を伝えるだけでなく、持続可能な開発目標(SDGs)と関連づけるなど、学習プログラムに工夫を凝らしている。しかし、財源面での課題が深刻化し、運営そのものが困難になるケースも出始めている。ネットワークの担当者は「伝承活動は分岐点に立っている」と指摘し、「災害時に命を守るための備えを効果的に伝えるためには、語り部などとの連携をさらに深めていく必要がある」と強調している。

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震災遺構での追悼の様子

東日本大震災で死者・行方不明者が最も多かった宮城県石巻市では、3月10日に震災遺構として保存されている門脇小学校や慰霊碑で、遺族らが故人をしのぶ追悼行事が行われた。市内を襲った津波で母親の鈴木忠子さん(当時79歳)を亡くした武山律子さん(67歳)は、慰霊碑に刻まれた母の名前を見つめながら、「何事もなく、今年も来られたよ」と静かに語りかけた。津波や火災の被害がそのまま残る門脇小学校は、震災の記憶を伝える重要な遺構として、多くの訪問者を受け入れている。

伝承活動の未来に向けた課題

15年の歳月が経過する中で、震災の記憶の風化が懸念される一方で、伝承施設の運営継続には大きな課題が山積している。来訪者数の減少は、単なる一時的な現象ではなく、持続可能な伝承活動の在り方を根本から見直す必要性を示唆している。関係者らは、新たな学習プログラムの開発や、地域との連携強化を通じて、次世代へ確実に教訓を引き継ぐ方策を模索している。

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