福島大学災害ボランティアセンター設立15周年シンポジウム、活動の軌跡と未来への展望を共有
学生団体である福島大学災害ボランティアセンター(通称・災ボラ)の設立15周年を記念したシンポジウムが22日、福島大学で開催されました。このイベントには、鈴木典夫教授をはじめ、卒業生や現役学生らが参加し、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの活動の歩みを振り返りながら、今後のボランティア活動の方向性について活発な意見交換が行われました。
災ボラの設立と多岐にわたる活動の歴史
災ボラは、2011年3月に発生した東日本大震災の際、福島大学に開設された避難所の運営に携わった学生たちが中心となり、同年5月に設立されました。活動は仮設住宅での支援から始まり、その後、地域コミュニティーの再生や県外避難者へのサポートなど、多様な分野に取り組んできました。さらに、震災の教訓を生かし、能登半島地震などの被災地での復興支援や防災意識の啓発活動も積極的に展開しています。
歴代ゼネラルマネジャーが活動の意義を語る
シンポジウムでは、災ボラの運営を支えてきた歴代のゼネラルマネジャー(GM)が登壇し、活動の振り返りを行いました。団体発足に関わった2012年度卒業生の土屋一貴さんは、「活動は地味で地道なものであり、不安を感じることも多かったが、『誰かのためになっている』という実感が、常に私たちを後押ししてくれた」と強調しました。
また、2017年度卒業生の吉田小花さんは、学生が仮設住宅に住み込み、避難住民をサポートする「いるだけ支援」の経験を紹介し、「日常生活の積み重ねの中で住民の本音を聞き、一住民としての深い関係を築けたことが、この活動の大きな価値だった」と述べました。
地域からの評価と今後の期待
災ボラの活動に長年協力してきた福島県社会福祉協議会の渡辺誠一地域福祉部長は、「変化する状況に対応しながら15年間も継続してきたことは非常に素晴らしい。これからも住民に寄り添い、地域に根差した活動を続けていってほしい」と総括し、今後の発展に期待を寄せました。
鈴木典夫教授の最終講義:活動の本質は「人付き合い」
シンポジウムでは、災ボラの発足から運営を支え、本年度で定年退職する行政政策学類の鈴木典夫教授による最終講義も実施されました。講義は「学生ボランティアが積み上げてきたからこそ」と題され、災ボラの活動の意義が深く語られました。
鈴木教授は、災ボラの活動の特徴を「人付き合い、関係づくりを重視したボランティアだ」と説明し、「被災者を孤立させないこと、子どもの未来を考えてお兄さん・お姉さん役を務めること、人の声が聞こえるコミュニティーを創ることなど、地味ではあっても、これが活動の本質であり、将来への基盤となる」と述べました。また、15年間にわたり共に歩んだ学生たちへの感謝の意を表しました。
鈴木教授は福島市出身で、同志社大学大学院文学研究科修士課程を修了後、京都市社会福祉協議会などを経て、1999年から福島大学に勤務。行政政策学類長などを歴任し、2022年からは地域未来デザインセンター長を務めました。



