愛媛・今治山林火災から1年、350人が1350本植樹で「憩いの森」再生へ第一歩
愛媛県今治市と西条市で計481.6ヘクタールを焼いた大規模山林火災の発生から、23日で1年を迎えるのを前に、地元の小中学生や自治体関係者ら約350人が12日、今治市朝倉南の約1ヘクタールで植樹を行いました。この取り組みは、大規模火災からの復旧・復興を本格化する重要な第一歩と位置づけられ、燃えにくい品種のウバメガシやヤマモモなどの苗木約1350本が丁寧に植えられ、山林の再生が願われました。
火災の概要と復興計画
火災は昨年3月23日、今治市長沢の山林で発生し、発生から23日目の4月14日にようやく鎮火しました。この火災では住宅など27棟が焼失し、4人が負傷する大きな被害をもたらしましたが、出火原因は特定できませんでした。火災を踏まえ、今治市がまとめた復旧・復興計画では、「災害に強く、親しみやすい『憩いの森』を再生する」ことが明確に定められています。
植樹式典での激励と期待
植樹前には式典が行われ、徳永繁樹・今治市長が「一つ一つの苗木を心を添えて植えていくことが未来に向けた大きな一歩になる」とあいさつしました。また、スポーツ選手らの社会貢献を推進する日本財団「HEROs(ヒーローズ)」も参加し、元ラグビー日本代表の大西将太郎さんは「アスリートは様々な苦労、敗戦を経験して何度でも立ち上がる力を大事にしている」と語り、火災からの復興を激励しました。
植樹エリアと参加者の声
この日、植樹が行われたのは、復旧・復興計画の中で被災状況に応じて区分けされた4ゾーンのうち、「森づくりゾーン」と設定されたエリアです。山の斜面が緩く、景観を考慮しながら、ボランティア活動によって植樹を進めるとしています。参加した市立朝倉中3年の藤村美友さん(14)は「燃えた山に初めて入ったけど、木が少なすぎて改めて被害の大きさを感じた。緑多く自然豊かになってほしい」と語りました。
専門家からの期待
復旧・復興計画の検討会会長を務めた江崎次夫・愛媛大名誉教授(森林科学)も作業を見守り、「次世代を担う子どもたちが苗木を植え、環境問題を考えることで豊かな自然を作り上げ、守っていってほしい」と期待を寄せました。この植樹活動は、単なる山林再生だけでなく、地域コミュニティの絆を深め、環境意識を高める機会ともなっています。
今後も、愛媛県や地元自治体は、被災した山林の再生に向けて継続的な取り組みを進め、災害に強い「憩いの森」の実現を目指す方針です。地域住民やボランティアの協力のもと、緑豊かな自然環境の回復が期待されています。



