三重県志摩市職員が停職9カ月の懲戒処分 扶養調査・年金所得業務で不適切処理2500件超
三重県志摩市は3月30日、扶養調査や年金所得に関する業務で不適切な処理を約1年半で2517件繰り返したとして、総務部に所属する20代の男性主事に対して停職9カ月の懲戒処分を下したことを明らかにした。市は刑事告発の可能性も視野に入れ、詳細な調査を継続している。
業務でデータ入力装いや公文書の持ち帰り 悪質な隠蔽行為も
市の発表によると、男性主事は課税課や税務課に在籍していた2024年6月から2025年11月までの期間、担当業務においてデータを入力したかのように装う行為を繰り返していた。さらに、公文書を段ボールに入れて自宅に持ち帰ったり、業務の過程で意図的に公文書を破棄した疑いも持たれている。
特に問題視されているのは、課税業務の遅れを隠蔽するために、男性主事が自分で代わりに納付する悪質な行為を実行していた点だ。この行為は、公的な手続きを著しく歪めるものであり、市民の信頼を損なう重大な事例として指摘されている。
事実発覚後も虚偽報告 動機は心理的負担と評価維持
不適切な処理が発覚したのは、昨年11月に別の職員が公的年金に関する業務の放置に気付いたことがきっかけだった。しかし、男性主事は事実発覚後の市の聞き取りに対しても虚偽の報告をしていたことが判明している。
男性主事は動機について、納税義務者への説明に心理的な負担を感じており、周囲からの評価を維持するために隠蔽を続けたと説明しているという。この発言は、職務上のプレッシャーが不適切な行動につながった可能性を示唆している。
市長が謝罪 再発防止へ対策強化を表明
橋爪政吉市長は今回の事態について、「極めて不適切な事態を招いたことを重く受け止め、深くおわび申し上げる」とコメントした。市は、職員の監督体制の見直しや業務プロセスの点検など、再発防止に向けた対策を強化する方針を示している。
この処分は、地方自治体の業務における透明性と信頼性の確保が改めて問われる事例となった。志摩市では、今後も刑事告発の可能性を含めた調査を進め、詳細な経緯と責任の所在を明確にするとしている。



