小郡市の任用職員再任用問題で市に賠償命令
福岡県小郡市において、会計年度任用職員として再任用すると説明された後に打ち切られたとして、同市の女性(61歳)が市を相手取り損害賠償を求めた訴訟で、福岡地裁久留米支部(石山仁朗裁判官)は2月18日、市に5万5千円の支払いを命じる判決を言い渡しました。
任用面談後の突然の打ち切り
判決によりますと、女性は2020年度から会計年度任用職員として任用されていました。2023年1月に行われた面談において、市側から仕事内容などについて言及があったものの、翌月には任用がないと伝えられたということです。
女性はこの対応を不服とし、市に対して550万円の損害賠償を求めて訴訟を提起していました。再任用が確約されたと主張する女性に対し、市側はそのような確約はなかったと反論していました。
裁判所の判断と理由
判決では、市側が女性の再任用を確約・保障したとは評価できないとし、「法的な利益として保護されるものとはいえない」と判断しました。つまり、再任用そのものについての法的権利は認められなかったのです。
しかしながら、裁判所は「再任用されるという期待を抱いていることを前提に、原告に不測の損害を与えないようにする職務上の注意義務があったと認めるのが相当」として、市側の責任を部分的に認めました。この判断により、市に対して5万5千円の支払いが命じられることとなったのです。
会計年度任用職員制度の課題
会計年度任用職員制度は、地方公共団体が会計年度ごとに任用する職員制度であり、近年では多くの自治体で導入されています。この制度は柔軟な人材配置を可能にする一方で、雇用の安定性に関する課題も指摘されてきました。
今回の判決は、自治体が任用職員に対して説明を行う際の注意義務の範囲について、一定の基準を示したものと言えます。特に、再任用の可能性について言及した場合には、職員が抱く期待に対して配慮する責任があることが明らかになりました。
この判決は、地方自治体の人事管理における透明性と公正性の重要性を改めて浮き彫りにしています。今後、同様の事例においては、より明確な説明と手続きが求められることになるでしょう。



