公民連携で新たな絆を育む 小田原・箱根の合同入社式に177人が参加
公民連携の合同入社式 小田原・箱根で177人が参加 (03.04.2026)

公民の枠を超えて新たな絆を育む 小田原・箱根の合同入社式

神奈川県小田原市と箱根町の中小企業および自治体の新入社員・職員を地域全体で祝福する合同入社式が3日、小田原市で盛大に開催されました。このユニークな取り組みは、新規採用数が少ない事業所の新人たちに寂しい思いをさせまいと、小田原箱根商工会議所が2016年に開始したものです。翌年からは小田原市と箱根町の新入職員も加わり、業種や公民の枠を超えた「同期」の連帯感を育む全国でも珍しい合同入社・入庁式へと発展を遂げています。

177人が参加し昨年より47人増加

今年の合同入社式には、小田原市職員34人、箱根町職員18人を含む24の団体から合計177人が参加しました。これは昨年の参加者数より47人増加しており、地域における本取り組みの重要性と認知度が高まっていることを示しています。合同入社式を発案した鈴木悌介会頭は式典で、「愚痴を言い合える仲間でもかまいません。仲間づくりを全力でサポートします」と温かいメッセージを送りました。また、加藤憲一市長は「地域課題をともに解決する担い手として活躍してください」と新入社員・職員たちにエールを送りました。

先輩たちの貴重なアドバイスと実践的なマナー講習

式典では、地元の信用金庫や旅館、ガス会社で働く先輩社員3人が登壇し、分からないことを周囲に聞くことの大切さや、仕事を楽しむためのこつを新人たちに伝授しました。さらに、マナーの専門家からは長時間楽に立つ姿勢、おじぎや名刺交換の正しい方法など、実践的なビジネスマナーも学びました。参加者たちは腰から頭まで一直線にするおじぎの練習に真剣に取り組み、新たな社会人生活に向けた準備を整えました。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

同期の存在が心の支えに 体験談も共有

箱根町の伊藤和生副町長は、自身が町職員として勤務していた当時を振り返り、「1年目は起床後に吐き気を催すほど出勤が嫌だった時期もありました。しかし、心のバランスを保てたのは同期の仲間がいたからです」と体験を交えて訴えかけました。この言葉は、業種や組織を超えた「同期」の絆が、新入社員・職員たちの精神的支えとなることを強く印象づけました。

参加者の声と今後のサポート体制

建設会社に就職し、社内に同期がいない渡辺紗帆さん(22)は、「マナーについては知らないことが多く、大変勉強になりました。会社を超えてフォローしてくれるのはありがたいです」と感想を語りました。図書館司書を目指して小田原市に入庁した梅木雄飛さん(24)も、「民間企業や箱根町の新人職員もいて、ほっとする気持ちです」と安心感を示しました。

小田原箱根商工会議所は、半年後に同期会を開催するほか、来年度以降も定期的なセミナーなどを通じて継続的なフォローアップを実施していく方針です。これにより、新入社員・職員たちが地域で長く活躍できる環境づくりを推進していきます。

中小企業の現状と合同入社式の広がり

中小企業約3200社が加盟する小田原箱根商工会議所によると、景気が良い大企業とは異なり、中小企業の賃上げは離職を防ぐための重要な措置となっています。円安や物価・コストの上昇、人件費の増加により、コロナ禍後も厳しい経営環境が続いている現状があります。こうした中で、合同入社式は地域の中小企業が人材を確保し、育てていくための貴重な機会となっています。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ

各商工会議所による合同入社式は県内外で広がりを見せており、平塚市や秦野市でも9日に開催される予定です。秦野商工会議所では昨年初めて開催され、今年は入庁した市職員のうち3人が参加する見込みで、公民連携の新たな門出として期待が寄せられています。