国立大学が資産運用を強化 CIOに専門家登用、寄付金集めて株式・債券投資へ
国立大が資産運用強化 CIOに専門家、寄付金で投資

国立大学が資産運用戦略を本格化 専門家登用で財政基盤強化へ

国立大学が、株式や債券など元本が保証されていない金融商品を用いた資産運用に積極的に取り組み始めている。保有する土地などの資産活用も同時に推進しており、インフレーションの影響で国からの運営費交付金が実質的に価値を減らしている現状に対処するためだ。しかし、計画通りの収益を上げられるのか、その体制と方針が注目されている。

「自由に使える資金を確保したい」 筑波大学の取り組み

2026年2月、筑波大学東京キャンパスでは「第1回KUTTUKUba(くっつくば)」と題した初の大規模な交流会が開催された。このイベントには、ベンチャー企業経営者を中心に、経済界で活躍する卒業生100名以上が参加。大講義室では起業を目指す学生のプレゼンテーションが行われ、その後は経営者として成功を収めた卒業生による対談が行われた。

フェイスブック上で4,000人以上が参加する「筑波大学の会」を運営する伊藤一成氏は、「筑波大学には現役で活躍する人々の交流の場が不足していた。今日が新たな出発点になれば」と期待を込めて語った。

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銀行出身の副学長をCIOに起用 専門性を生かした運用体制

交流会の呼びかけ人の一人である大手商社勤務の卒業生は、「筑波大学は三井住友銀行から副学長を招き、資金運用体制を強化している。卒業生も連携して、大学に民間資金がより多く流れる仕組みを作りたい」と述べた。

その副学長とは、三井住友銀行で長年にわたり企業年金などの資産運用業務に携わってきた野手弘一氏(67歳)である。筑波大学は2024年度に野手氏を副学長として迎え入れ、チーフ・インベストメント・オフィサー(CIO)としての役割を担わせている。これにより、大学の資産運用に専門的な知見を導入し、効率的な資金管理を目指している。

インフレ対策が背景 運営費の実質的目減りに危機感

国立大学が資産運用を強化する背景には、インフレーションの進行がある。国から支給される運営費交付金は名目上変わらなくても、物価上昇によって実質的な購買力が低下している。この状況に対応するため、大学は従来の預金中心の資金管理から、より収益性の高い投資へとシフトを図っている。

具体的には、寄付金を集めて株式や債券に投資するほか、大学が保有する土地の有効活用も検討されている。しかし、元本が保証されない金融商品への投資にはリスクが伴うため、慎重な運用が求められる。

卒業生ネットワークを活用 民間資金の流入促進へ

筑波大学の取り組みは、資産運用の専門家登用だけに留まらない。卒業生との強固なネットワークを構築し、民間からの資金調達を促進する仕組みづくりも進めている。交流会「KUTTUKUba」はその一環であり、経済界で活躍する卒業生との関係強化を通じて、寄付や投資の機会を拡大することが目的だ。

このように、国立大学は従来の公的資金依存から脱却し、自主財源の確保と財政基盤の強化を目指している。しかし、投資収益の不確実性や市場変動への対応など、課題も山積している。今後の動向が、大学経営の持続可能性に大きな影響を与えることは間違いない。

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