国交省、JR四国への大規模財政支援を5年間継続 経営自立へ厳しい道筋示す
国土交通省は24日、JR四国に対して2026年度から2030年度までの5年間で、総額1025億円の財政支援を継続する方針を正式に発表しました。この支援は、省力化・省人化に役立つ設備への出資や、瀬戸大橋の更新工事費用の負担など、多岐にわたる事業を対象としています。同時に、同省は2031年度までに国の支援がなくても持続可能な経営を実現するよう、強い改善を求める行政指導を行いました。
過去の支援と経営改善の成果
国交省は2020年にもJR四国に経営改善を求める行政指導を実施し、2021年度から2025年度にかけて932億円の財政支援を提供してきました。これに対し、JR四国は2021年に中長期経営計画を策定し、鉄道事業以外の分野での事業強化を推進。その結果、2025年度の単体決算では経常利益3億円、連結決算では同13億円という目標を達成できる見通しが立っています。
厳しい経営環境と今後の課題
しかし、今回の指導では、さらなる人口減少により鉄道事業の構造的な減益傾向が続くことや、瀬戸大橋の維持更新工事の本格化、老朽施設の更新が予定されていることから、中長期的に厳しい経営環境が続くと指摘されています。国交省は、インバウンド需要の取り込みや、省力化・省人化による生産性向上を強く求めています。
特に、輸送密度が1キロ当たりの1日の平均利用者数1000人未満の区間については、沿線自治体などとの既存の協議会を活用するか、2026年度中に区間ごとに新たな協議組織を設置し、徹底的な議論を通じて利用促進策を進めるよう要請しました。具体的には、以下の区間が該当します。
- 愛媛県と高知県を通る予土線(輸送密度234人)
- 愛媛県の予讃線海回り線区の向井原―伊予大洲間(同335人)
- 徳島県の牟岐線阿南―阿波海南間(同355人)
JR四国の対応と今後の展望
JR四国の四之宮和幸社長は、この指導について「真摯に受け止め、2031年度の経営自立を確実なものとするため改善を進める」とコメントしています。同社は、鉄道以外の事業への投資や金融機関からの融資利子分の負担など、多角的な経営戦略を強化しており、今後の取り組みが注目されます。
国交省は、2030年度までに交通網の将来像をとりまとめることも要請しており、地域の交通インフラの持続可能性を確保するための包括的な議論が期待されています。この支援策は、地方鉄道の存続と地域経済の活性化を両立させる重要な一歩となるでしょう。



