平成筑豊鉄道の今後の方向性、田川市がBRT案を支持
経営難が続く福岡県の平成筑豊鉄道の今後の方向性について、田川市は3月9日の市議会厚生委員会において、BRT(バス高速輸送システム)案を支持する意向を正式に表明しました。この決定は、同鉄道の存続を巡る重要な局面において、沿線自治体の一つが明確な姿勢を示したものとして注目されています。
法定協議会が提示する3つの選択肢
平成筑豊鉄道を巡っては、福岡県と沿線9自治体で構成される法定協議会が、以下の3つの案を提示しています。
- 上下分離による鉄道維持:鉄道事業を継続する方法
- BRTへの転換:線路を専用道として活用するバス高速輸送システム
- 路線バスへの転換:鉄道を廃止し、既存の路線バス網に統合する案
法定協議会のメンバーによる書面投票が行われ、今月中に最終的な方向性が決定される方針が申し合わせられています。この投票結果は、地域交通の将来像を大きく左右する重要な判断となるでしょう。
財政負担の比較と自治体の意向
各案における沿線自治体の30年間の財政負担額は、以下のように試算されています。
- 鉄道維持案:総額439億円(田川市負担104億円)
- BRT案:総額148億円(田川市負担20億円)
- 路線バス転換案:総額110億円(田川市負担27億円)
これまでに、沿線自治体のうち5市町村が路線バス転換案を、1町が鉄道維持案を支持する意向を表明しています。田川市のBRT案支持表明は、このような状況の中で、中間的な選択肢を選んだ形となります。
田川市がBRT案を支持する理由
田川市がBRT案を支持する理由として、以下の点を挙げています。
- 市民アンケートにおいて、回答者の4割以上がBRTを支持していること
- 財政負担が3案の中で最も少ないこと
- 鉄道と同等の速達性を確保できると期待されること
特に、財政負担の軽さは、地方自治体の厳しい財政状況を考慮した上で、重要な判断材料となっています。田川市にとって、BRT案は市民の声と財政的現実をバランスさせた選択と言えるでしょう。
鉄道存続への思いと今後の展望
一方で、田川市は街づくりの観点から、財政負担を除けば鉄道存続が最善の選択であるとも指摘しています。村上卓哉市長は、「今後も鉄道支援を国に働きかけていく」と述べ、国の支援が得られる場合には方向性の見直しを求める可能性を示唆しました。
この発言は、BRT案を支持しつつも、鉄道という公共交通機関の価値を認め、その存続への希望を捨てていないことを表しています。地域の交通網の未来は、自治体の財政判断と国の支援策、そして市民の意向が交錯する中で、慎重に決定されていくことになります。



