カイロス3号機、打ち上げ直後に飛行中断 串本町のファンは「成功まで応援」と声援
カイロス3号機、打ち上げ直後に飛行中断 串本のファンは応援継続 (05.03.2026)

カイロス3号機、打ち上げ直後に飛行中断措置 串本町のファンは落胆も応援継続

宇宙新興企業スペースワン(東京)の小型ロケット「カイロス」3号機は、2026年3月5日午前11時10分、和歌山県串本町の発射場から打ち上げられた。しかし、直後に飛行中断措置が取られ、天候などを理由に延期を繰り返した末の挑戦も、初号機、2号機に続く失敗となった。見学場に詰めかけた約400人のファンからは、ため息が漏れ、驚きが広がった。

ファンの熱い声援と落胆 親子連れや旅行者も見守る

串本町の見学場では、集まった親子連れらが発射予定時刻に合わせてカウントダウンを行い、快晴の空にロケットが轟音とともに真っすぐ打ち上がると、「頑張れ」「行け」と声援を送った。会場には拍手があふれたが、間もなく飛行中断措置を取ったとのアナウンスが流れ、一転して沈黙が訪れた。

ロケットのエンジニアになるのが夢だという兵庫県伊丹市の小学6年生の男児(12)は、カイロスの柄が入った帽子を身に着けて見守り、「打ち上がる音や光がすごい迫力だった。成功するまで応援し続ける」と力を込めた。また、大阪府箕面市から訪れた見学者(62)は、道中の道の駅で知り合ったバイク乗り2人と一緒に見学し、「万歳できずに残念だったが、これからも応援したい」と語った。

地元出身の大学生、宇宙を通じた地域活性化を目指す

和歌山県串本町出身の和歌山大学2年、清野健太郎さん(20)は、カイロスの挑戦に魅了された一人だ。5日は母校の県立串本古座高校で後輩らと打ち上げを見守り、「今回の失敗を糧に、成功に向けて進んでいってほしい」とエールを送った。

清野さんは、人口減が進んでいた串本町に発射場が建設されることが明らかになった2019年、中学生だった頃から宇宙事業に興味を持ち、高校では教育用の「模擬人工衛星」の開発などに取り組んだ。宇宙をテーマに生まれ育った町を盛り上げたいと、和歌山大学観光学部への進学を決め、現在は地方の観光振興策について学ぶ傍ら、民間企業が企画する発射場の見学ツアーにガイドとして協力している。

目標は「宇宙分野を通じて地元へ恩返しする」ことだ。打ち上げ予定だった今月1日は串本町の見学場でのトークイベントに登壇し、予定時刻の直前に延期となったが、「楽しみが延びた」と前を向いた。5日は、直前に打ち上げが中止された4日に続いて母校で行われた動画中継イベントに協力し、後輩たちとカウントダウンで盛り上げた。

打ち上げは失敗に終わったが、清野さんは「成功する日まで、串本や全国の皆さんと一緒に見守り続けていきたい」と語り、地域と共に歩む姿勢を示した。

見学場の様子とファンの反応

見学場は、串本町の隣の那智勝浦町にも設けられ、奈良県大和高田市の会社員(50)は妻(47)、長男(7)と家族3人で来場。初号機の打ち上げから毎回訪れており、「子どもの成長を見守るような気持ちで応援してきた」という。この日の打ち上げについて、「2号機の時のように上空で旋回して見えたので、失敗かなと思った。でも、とにかく打ち上がって良かった。また来ます」と話した。

カイロス3号機の挑戦は、技術的な課題を残したが、ファンや地元住民の熱い支持に支えられ、今後の成功に向けた期待が高まっている。