隠岐汽船が船員確保へ最大100万円給付金制度創設 広域連合と連携し慢性的不足解消目指す
隠岐汽船が船員確保へ最大100万円給付金制度創設

隠岐汽船が船員確保へ最大100万円給付金制度を創設

隠岐汽船(隠岐の島町)は、慢性的な船員不足の解消に向け、隠岐4町村や島根県で構成される隠岐広域連合と連携し、新規採用した船員に対して最大100万円の給付金を支給する新制度を創設しました。この取り組みは、船員を志す人材を広く募集し、隠岐諸島と本土を結ぶ航路の安定した運航を確保することを目的としています。

給付金の詳細と対象者

給付金制度は、海技士資格の有無によって支給額が異なります。甲板4級以上または機関3級以上の資格を保有する船員には100万円が支給され、勤務開始から1年後に50万円、2年後に30万円、3年後に20万円と、3年間にわたって分割して交付されます。一方、資格を持たない船員には50万円が支給され、同様に1年後に25万円、2年後に15万円、3年後に10万円が分割で支払われます。対象となるのは、昨年4月以降に採用された船員です。

隠岐広域連合は、この給付金事業に関する経費を予算案に組み込み、2025年12月の臨時会議と今月5日の定例会議で可決しました。これにより、制度の実施が正式に決定されました。

追加の支援策と現状の課題

給付金に加えて、隠岐汽船は海技士資格保有者に対して、4級の場合は月額3000円、3級以上の場合は月額5000円の資格手当を支給する方針です。さらに、本土出身の船員が定着しやすい環境を整えるため、鳥取県境港市にアパートを借り上げ、低額で船員に貸し出す計画も進めています。

隠岐汽船によると、フェリー3隻と高速船1隻の安全な運航には、機関、甲板、事務の各部門で最低97人の船員が必要ですが、昨年11月時点では87人しかおらず、10人が不足している状況です。この船員不足の影響により、昨年6月中旬からは、繁忙期を除いてフェリーの減便体制を強いられ、新たなダイヤでの運航を余儀なくされています。

広域連合との協力と今後の展望

隠岐汽船と隠岐広域連合は昨年8月、人材確保に関する確認書を締結し、各自治体の実務担当者らによるワーキンググループを設置して、具体的な対策の協議を重ねてきました。給付金制度は、かつて隠岐病院で新規採用する看護師や助産師らに就業支援支度金100万円を支給していた制度を参考にしたものです。

隠岐汽船の池田則文社長は、「隠岐にとって航路は重要な社会基盤です。全国的に船員は不足していますが、給付金などの支援策を通じて人材の確保に努め、最も重要な安全を担保しながら運航を続けたい」と述べ、制度への期待を語りました。

この取り組みは、離島地域の交通インフラを維持するための重要な一歩として、地域全体の課題解決に貢献することが期待されています。