青森県で「ニセ社長詐欺」が急増、LINEを利用した巧妙な手口に警戒
青森県内において、実在する企業の社長や団体の代表者をかたって送金を要求する「ニセ社長詐欺」の被害が目立って増加している。県警察はこの新たな詐欺手口に対して、特に注意を呼びかけるとともに、被害防止策の徹底を促している。
昨年末に始まった巧妙な詐欺の手口
昨年12月下旬、県内の施設が管理するメールアドレス宛てに、その施設を運営する親会社の社長を名乗る人物から「LINEグループを作ってほしい」という内容のメールが届いた。施設側が指示に従ってLINEグループを開設し、その人物をメンバーに追加すると、今度は「業務に必要だから」と指定された口座に1000万円を送金するよう要求されたという。
このケースでは、施設側が詐欺であることに気づき、実際の送金は行われなかった。しかし、この手口はその後も県内で繰り返し確認されており、今年に入ってからだけで13件もの同様の事例が報告されている。
共通する手口と全国的な広がり
これらの詐欺事件には、いくつかの共通点が見られる。まず、会社の社長や団体の代表者など、要職に就いている人物を名乗ることが挙げられる。次に、その人物が関わっている組織に対して直接メールを送りつけ、LINEへの誘導を図る点が特徴的だ。
さらに驚くべきことに、県警察本部長を名乗るメールが、実際の県警察本部に送られてきた事例も確認されている。このように、権威ある立場を装うことで、相手の警戒心を解き、指示に従わせようとする巧妙な手口が用いられている。
青森県警察本部捜査2課の土岐博紀次長は、「社長本人らしい情報をまぜ込まれてしまえば、危険度は増す」と指摘する。詐欺犯は、組織内部の事情に詳しいかのような情報を交えることで、信憑性を高めようとしているという。
高額被害の危険性と防止策
同様の手口は青森県内だけでなく、全国的に発生している。特に問題なのは、業務名目での送金を要求されるため、被害額が高額になる危険性が極めて高い点だ。通常の個人を対象とした詐欺とは異なり、企業や団体の資金が狙われるため、一度の被害が数百万円から数千万円に及ぶ可能性もある。
県警察は、このような詐欺から身を守るために、以下の2点を特に注意するよう呼びかけている。
- 名前を使われている本人に直接確認する:メールの送信者が本当にその人物かどうか、電話や直接の面会など、別の手段で確認することが重要。
- LINEグループの利用を指示されたら警戒する:業務上の連絡で突然LINEの使用を求められた場合、詐欺の可能性を疑うべきだ。
これまでのケースでは、被害者側が詐欺だと気づき、実際の金銭被害は未然に防がれている。しかし、県警察は今後も同様の手口が続く可能性が高いとして、企業や団体の担当者に対して継続的な注意を呼びかけていく方針だ。
特に、経理部門や管理職の方は、不審な送金要求に対して常に警戒心を持ち、組織内での確認手順を徹底することが求められている。詐欺犯は日々新しい手口を開発しているため、油断せずに対応することが被害防止の第一歩となる。