佐賀県鳥カササギの生息数が危機的状況に 2008年比で約3分の1に激減
佐賀県の県鳥として親しまれているカササギの生息数が、近年、深刻な減少傾向にあることが明らかになった。2026年3月1日、佐賀市東与賀町の市営施設「東よか干潟ビジターセンター(愛称・ひがさす)」で開催された調査研究報告会で、最新の研究成果が発表された。
長年の研究データが示す衝撃的な減少傾向
報告会では、長年にわたりカササギの研究を続けてきた仏坂安恵さん(78歳)と、佐賀大学院農学研究科修士課程の土屋佳央さん(24歳)の2人が研究成果を発表した。特に注目されたのは、土屋さんが仏坂さんが1969年から2008年にかけて収集した貴重なデータを活用して行った最新調査の結果である。
土屋さんは2025年に、県内各所でカササギの生息数を示す指標となる1平方キロメートルあたりの巣の密度を詳細に調査した。この調査結果を、仏坂さんが2008年に実施した同様の調査と比較したところ、佐賀県全域におけるカササギの巣の密度が約3分の1に減少していることが判明した。
生息数激減の要因分析
調査結果について土屋さんは、カササギの個体数も同様に約3分の1程度に減少していると推定している。この急激な減少の要因として、以下の点を分析している。
- 都市化の進行による影響:農地で餌を取るカササギにとって、都市化の進行が不利に働いている。
- 天敵カラスへの防衛力低下:巣の密度が減少したことで、天敵であるカラスに対する集団的な防衛力が低下し、繁殖の失敗が増加している。
カササギは佐賀県では「カチガラス」という愛称で親しまれており、その特徴的な「カチカチ」という鳴き声が地域の風物詩となっている。しかし、近年の生息数減少は、この貴重な地域のシンボルが失われる可能性を示唆している。
環境保全の重要性を強調
報告会を主催した日本野鳥の会佐賀県支部は、カササギの生息数減少が深刻な問題となっている現状を広く知ってもらい、対策を考えるきっかけにしたいとしている。
土屋さんは報告後のコメントで、「カササギが安心して暮らせる環境を保全するためには、周辺住民の理解と協力が不可欠です。地域全体でこの問題に取り組むことが重要だと考えています」と述べ、環境保全の重要性を強調した。
今回の調査結果は、単なる鳥類の減少問題にとどまらず、地域の生態系バランスや生物多様性保全の観点からも重要な示唆を与えるものとなっている。佐賀県の自然環境を象徴するカササギの未来は、今後の保全対策にかかっていると言えるだろう。



