白井市のデータセンター建設を巡り行政訴訟が開始、住民が生活被害を訴える
千葉県白井市富ケ谷地区において、現在建設が進められているデータセンター(DC)をめぐる行政訴訟の第1回口頭弁論が、2月27日に千葉地方裁判所で開かれた。訴訟を提起したのは、同地区に住む弁護士の及川智志氏(60歳)で、白井市が行った建設許可が都市計画法に違反しているとして、その取り消しを求めている。
住宅街に隣接する建設地、元はナシ園だった場所
及川氏の主張によれば、問題のデータセンター建設地は住宅街に直接隣接しており、もともとはナシ園として利用されていた土地である。この区域は原則として開発が制限される「市街化調整区域」に指定されていたが、白井市は2025年8月、高さ40メートルまでの建築物を建設可能とする地区計画を決定した。さらに同年11月には、事業者によるデータセンター建設計画を正式に許可している。
市側はデータセンターを「事務所」として分類したが、及川氏はこの判断に強く異議を唱えている。「実態は倉庫や工場に該当する施設であり、住宅の近くに建設することは適切ではない」と主張し、市の許可が乱開発を認めるものだと批判している。
住民が訴える工事による深刻な生活被害
口頭弁論に先立ち、及川氏は千葉地裁近くで記者会見を実施し、約20人の近隣住民が同席した。住民たちは建設工事に伴うさまざまな問題を具体的に挙げて訴えた。
- 工事現場から発生する継続的な振動によって、自宅の壁にひびが入るなどの物理的被害が生じている。
- 土ぼこりが大量に舞い上がり、洗濯物が汚れる、窓を開けられないなどの日常生活への支障が深刻化している。
- 高さ40メートルに及ぶ建物によって住宅街への日差しが遮断される懸念が強まっており、日照権の侵害が問題視されている。
住民の一人は「平穏な生活が送れない状況が続いており、精神的にも大きな負担を感じている」と語り、早期の解決を切望する声を上げた。及川氏は記者会見で「市の許可は明らかに法に反しており、取り消されなければならない」と改めて強調した。
市側は法に基づく対応を主張、今後の裁判の行方に注目
これに対して白井市の担当者は「法に基づいて適切に開発許可を出していることを主張したい」と述べ、市側の対応が適法であるとの立場を示した。今後の裁判では、データセンターの分類をめぐる解釈や、市街化調整区域における開発の是非が主要な争点となる見通しだ。
この訴訟は、急速に進むデジタルインフラ整備と地域住民の生活環境保護のバランスを問う重要なケースとして注目を集めている。次回の口頭弁論では、双方の主張がさらに詳細に展開される予定であり、地域社会に与える影響についても議論が深まることが期待される。



