酒酔い運転の定義に数値基準が導入 改正法案が閣議決定
政府は31日、道路交通法の改正案を閣議決定しました。これにより、「酒酔い運転」の要件に、呼気1リットルあたり0.5ミリグラム以上のアルコール濃度といった明確な数値基準が新たに設けられることになります。施行は2026年3月31日を予定しています。
従来の「正常運転不能のおそれ」に加え数値基準を新設
現行の道交法では、酒酔い運転を「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」と定義し、違反者には5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科せられています。しかし、この要件は抽象的で、警察の取り締まり時や事故発生後には、運転者の言動や行動から個別に判断する必要がありました。
具体的には、警察官がろれつが回っているか、真っすぐ歩けるか、直立できるか、顔色はどうかなどを観察し、さらに飲酒量を捜査を通じて調べることで、酒酔い状態に該当するかどうかを判断してきたのです。
危険運転致死傷罪との整合性を図る形で
今回の改正は、法務省が自動車運転死傷処罰法の改正案で、特に危険で悪質な運転行為を処罰する「危険運転致死傷罪」にアルコール濃度の数値基準を設けたことと連動しています。両法を整合させることで、飲酒運転に対する規制をより明確かつ強化する狙いがあります。
新たな数値基準の導入により、客観的な判断が可能となり、取り締まりの公平性や効率性が向上することが期待されます。一方で、数値基準だけでは捉えきれない酩酊状態も存在することから、従来通りの言動や行動に基づく判断も併用される見込みです。
この改正は、飲酒運転による悲惨な事故を未然に防ぎ、道路交通の安全を確保することを目的としています。政府は、法改正の周知徹底を図りながら、2026年3月末の施行に向けて準備を進めていく方針です。



