改造車事故で重傷の娘、意識戻らぬまま 保険適用拒否で家族が損保会社を提訴
2026年3月30日、札幌市で発生した改造車事故により意識不明となった女児の家族が、損害賠償約3億円を求める訴えを札幌地方裁判所に起こしました。事故から2年半が経過した現在も、女児の意識は回復していない状況が続いています。
事故の経緯と被害女児の現状
事故は2023年11月、札幌市内で発生しました。走行中の車両から外れたタイヤが歩道に直撃し、当時4歳だった女児に重大な傷害を負わせました。女児は頸髄を損傷し、現在6歳になっても意識が戻らない状態が継続しています。治療費は膨大に積み上がり、家族には経済的・心理的な負担がのしかかっています。
父親は記者会見で「医療や介護の日々の負担は続いていますが、経済的にも心理的にも前に進めないままでいます」と心境を語りました。事故から2年半経過しても、家族の苦悩は深まるばかりです。
加害者側の状況と保険問題
事故を起こした車両は、塗装業を営む所有者(52歳)が従業員(52歳)に不正改造を依頼したものでした。点検のために従業員が運転中に事故が発生しました。加害者側は刑事責任を問われ有罪判決を受けていますが、多額の民事賠償を支払う能力には限界があると見られています。
問題となっているのは保険適用です。事故車両には法的に義務付けられた自賠責保険はかけられていましたが、任意保険には加入していませんでした。そこで家族側が注目したのが、従業員の妻が加入していた任意保険の「他車運転特約」です。この特約は配偶者が他人の車で事故を起こした場合にも保険対象とされる規定を含んでいます。
保険会社への提訴と今後の展開
家族側はこの特約の適用を保険会社に求めましたが、適用を拒否されました。この判断を不服として、家族は損害賠償約3億円の支払いを求める民事訴訟を提起することになりました。訴状には以下の内容が記載されています:
- 事故の詳細な経緯と被害状況
- 女児の継続的な治療と介護の必要性
- 保険特約の適用を求める法的根拠
- 加害者側の賠償能力不足の実態
この訴訟は、自動車事故における保険適用の範囲や、改造車問題の民事責任をめぐる重要な判例となる可能性があります。家族側は「娘の治療と将来のためにも、正当な賠償を受けられるように闘いたい」と決意を表明しています。
事故から2年半、女児の意識回復の見通しは立たないまま、家族は経済的負担と精神的な苦痛に直面し続けています。今回の訴訟が、同様の事故被害者への救済の道筋を示すケースとなるか、司法の判断が注目されます。



