登山コースで雪穴にはまり、中に潜むクマに襲われる
2026年3月8日午前11時ごろ、岩手県宮古市区界の岩神山登山コース5合目付近で、驚くべき事故が発生しました。盛岡市在住の団体職員男性(69歳)が、雪穴にはまってしまい、その穴の中にいた成獣のクマに左足のふくらはぎをかまれたのです。男性は軽傷を負いましたが、命に別状はないとのことです。
コースから外れた先に待ち受ける危険
警察署の発表によりますと、男性は知人女性と二人で登山中、本来のコースから外れてしまいました。コースに戻ろうとしたその瞬間、男性は腰まで雪穴にはまってしまい、その穴の中にクマが潜んでいることに気付きました。まさに予想外の事態です。
男性は自力で穴から脱出しましたが、その後、クマは同行の女性を襲おうとする動きを見せました。しかし、二人が持っていた登山用ストックで突くなどして抵抗したところ、クマは山の中へと立ち去っていったとのことです。女性にけがはなく、無事でした。
岩手県で相次ぐクマの出没
この事故は、岩手県内で近年相次いでいるクマの出没・被害事例の一つと言えるでしょう。例えば、2025年10月には盛岡市の「原敬記念館」敷地内にクマが出没し、住民に衝撃を与えました。また、花巻市では花火でクマを追い払おうとした男性が反撃され顔や頭にけがを負う事件も起きています。
県内では初の緊急銃猟が実施された事例もあり、洋野町では栗の木の下に居座ったクマが駆除されました。さらには、盛岡市街地にクマが出没し、近くにいた保育園児120人が恐怖を味わう事態も発生しています。
このような状況を受け、クマ撃退スプレーの性能や操作法に対する関心も高まっていますが、効き目の弱い製品が出回っているとの指摘もあり、登山者や住民の不安は募るばかりです。
登山時の安全対策の重要性
今回の事故は、登山時に予期せぬ危険に遭遇し得ることを改めて示しました。特に、雪が残る時期の登山では、以下の点に注意が必要です。
- 必ず指定された登山コースを歩き、安易に外れないこと。
- クマの生息が報告されている地域では、鈴やラジオなど音を出すものを携帯すること。
- 万が一クマに遭遇した場合、慌てずにゆっくり後退し、刺激しないことが基本です。
- クマ撃退スプレーなど有効な防具を携行し、その使用方法を事前に確認しておくこと。
自然豊かな岩手県では、人間と野生動物の共存が課題となっています。今回の軽傷事故を教訓に、地域全体で安全対策を徹底することが求められるでしょう。



