2024年7月の豪雨で被災し、通行止めが続いていた山形県戸沢村の「幻想の森」へ通じる土湯沢林道が、2026年5月に約2年ぶりに開通しました。復旧した林道を抜けると、雪の重みに耐えて曲がりくねった天然杉の巨木が、1000年の時を超えて来訪者を迎えます。
林道復旧の経緯
豪雨により、森の入り口までの約2.5キロメートルにわたる林道の2か所が崩落し、長期間の通行止めを余儀なくされていました。昨年8月から11月にかけて復旧工事が行われ、雪解けを待って5月11日に開通しました。
幻想の森の魅力
国道47号から林道に入り、細い砂利道を車で約15分進むと森に到着します。ウッドチップが敷かれた約300メートルの遊歩道を一周しながら、樹齢1000年を超える約30本のスギの群生地を楽しむことができます。
最上峡案内人協会の高橋好也さん(66)は「ここには『何か』がいる。自然の偉大さへの畏れや敬い、先人の知恵を感じてほしい」と語ります。目を閉じて耳を澄ますと、すべての感覚が研ぎ澄まされるような体験ができます。
巨木の特徴
森の中では、巨木が曲がりくねり、絡まり合う様子が見られます。幹に大きな穴が開いた木もあり、高橋さんによると、かつて藩有林で伐採が禁じられていた時代に、住民が生活用資材をこっそりくりぬいた跡という説もあるそうです。
また、数メートル積もる雪の重みで曲がりくねった巨木は、躍動感にあふれています。冬場は人が立ち入れないため、その姿はまさに自然が作り出した芸術作品です。
歴史と見どころ
1980年に林道が開通してから広く知られるようになり、1998年に訪れた最上山岳会のメンバーが「幻想の森」と命名しました。一本の根から4本のスギが生えているように見える「大杉」や、ヤマザクラとスギが絡まり合う「サクラスギ」も見どころです。
5月18日に訪れた京都大学農学部3年の男子大学生(21)は「風雪に耐えて曲がりくねった独特の形に迫力がある」と熱心に観察していました。
高橋さんは「やっと通れるようになった。マイナスイオンをたっぷり浴びて、先人たちに思いをはせてみてほしい」と来訪を呼びかけています。



