部活バス事故受け遠征見直しを 関教授「運転者確保に構造的問題」
部活バス事故受け遠征見直しを 関教授が指摘

部活バス事故が問いかける遠征のあり方

2026年5月6日、福島県郡山市の磐越自動車道で、部活動の遠征先に向かっていた北越高校(新潟市)の部員を乗せたマイクロバスが事故を起こし、生徒が亡くなる痛ましい事件が発生した。この事故を受け、部活動における遠征の必要性や安全確保のあり方が改めて問われている。

なぜ遠征が必要なのか

多くの部活動が練習試合などで遠征を行う理由について、室蘭工業大学大学院の関朋昭教授(スポーツ経営学)は「異なる学校との練習を通じて、新しい練習方法や戦略に触れる機会が生まれる」と説明する。近隣校との対戦だけでは刺激が限られるため、遠征は生徒の経験値を広げる重要な役割を果たしている。また、大会での連戦や不慣れな環境への適応力を養うため、遠征経験は本番でのパフォーマンス向上に寄与するという。特に全国大会で上位を目指すチームほど、こうした経験を積む傾向が強い。

運転者確保の実態

2002年度に公立学校が完全週休2日制となって以降、宿泊を伴う遠征が増加した。これに伴い、部活の顧問が大型免許を取得し、自ら運転して遠征を行うケースが全国で広がった。関教授自身も2000年代に北海道で高校教員としてサッカー部の顧問を務めた経験を持ち、「他校の顧問と話すと、顧問が運転するのは当たり前で、熱心な顧問ほど自ら大型免許を取り、積極的に遠征を行っていた」と振り返る。外部委託に比べコストを抑えられることが、顧問運転が常態化した背景にある。

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構造的問題と今後の課題

しかし、この慣行は安全面で大きなリスクを伴う。関教授は「顧問の運転に依存する体制は構造的問題であり、事故が起きるたびに議論されるが、根本的な解決には至っていない」と指摘する。遠征の必要性を否定するものではないが、安全な運転者を確保するための制度改革が急務だ。具体的には、専門の運転手の配置や、遠征費用の公的補助による外部委託の推進などが考えられる。また、スポーツ大会の日程や形式そのものを見直し、遠征の頻度を減らす工夫も必要だろう。部活動本来の目的である生徒の成長を損なわない形で、安全と教育のバランスをどう取るかが問われている。

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