静岡市で80歳男性が台所事故で死亡 やかん使用中に衣服に着火
静岡市葵区で11日午前、高齢男性が台所でやけどを負い死亡する痛ましい事故が発生した。衣服に火が燃え移ったことが原因とみられ、地域社会に衝撃が走っている。
娘が発見し消火するも手遅れに
11日午前7時55分頃、静岡市葵区下の住宅で、50歳代の女性から「父の体に火がついてしまった」と緊急通報があった。通報者は男性の娘で、自ら現場で火を消し止めたという。しかし、80歳の男性は上半身に深刻なやけどを負っており、救急搬送先の病院で死亡が確認された。
静岡県警察本部・県警静岡中央署の調べによると、事故当時、男性は自宅台所のガスコンロを使用して、やかんで湯を沸かそうとしていた。その過程で何らかの原因により衣服に火が燃え移ったと推定されている。現在、同署が事故の詳細な状況や発生経緯について慎重に調査を進めている。
高齢者の家庭内事故防止が課題に
この事故は、日常的な家事作業中に起きた悲劇として、高齢者の家庭内安全対策の重要性を改めて浮き彫りにした。特に台所での調理や湯沸かしは、ガスコンロや高温の器具を扱うため、注意力が求められる作業である。
専門家によれば、高齢になると反応速度や身体能力の低下から、火災発生時の初期対応が難しくなるケースが多いという。また、衣服の素材によっては、わずかな火種でも急速に燃え広がる危険性がある。
静岡県内では過去にも類似の家庭内事故が報告されており、地域の消防署や自治体が高齢者向けの防火啓発活動を強化している。今回の事故を受けて、より効果的な予防策の普及が急務となっている。
遺族となった娘は、父親の突然の死に深い悲しみに暮れているとみられる。近隣住民からは「ご近所でもよく挨拶を交わす穏やかな方だった」との声が聞かれ、地域全体が喪失感に包まれている。
県警は、事故原因の究明を進めるとともに、類似事故の防止に向けた注意喚起を広く呼びかけていく方針だ。特に冬場は暖房器具の使用も増えるため、火の取り扱いには一段の警戒が必要としている。