緊急避妊薬ノルレボ錠が処方箋不要の市販薬として全国販売を開始
望まない妊娠を防ぐための緊急避妊薬「ノルレボ錠」が、処方箋が不要な市販薬として、全国の薬局やドラッグストアで販売を開始しました。この薬は性交後72時間以内に服用することで、8割以上の確率で妊娠を防ぐ効果があるとされており、必要とする人が迅速に入手できる仕組みが整ったことは大きな前進です。世界保健機関(WHO)は緊急避妊薬を「必須医薬品」に位置付けており、海外では既に多くの国で市販されていますが、日本ではこれまで医師の診察と処方が必要でした。
販売条件と薬剤師の役割
ノルレボ錠の販売は、プライバシーに配慮した環境や産婦人科との連携などの要件を満たした店舗に限定されています。購入に年齢制限はなく、未成年でも保護者の同意は不要ですが、処方箋なしでの購入には研修を受けた薬剤師による対面販売が条件です。さらに、薬剤師の面前での服用が義務付けられており、代理人や男性は購入できません。薬剤師は、性犯罪や虐待の可能性がある場合に女性を支援機関につなぐ役割も担い、安易な使用から女性の身体を守るための判断や対応が重要になります。
地域格差と価格課題
厚生労働省のホームページには対象店舗が公開されており、全国で約7000店での入手が可能ですが、販売開始から間もないため、地域によって店舗数に偏りがあります。薬は服用が早いほど効果が高いとされるため、自治体などは薬局や医師会、薬剤師会と連携し、店舗数の拡大に努めることが求められます。また、ノルレボ錠の小売価格は1錠7480円と高額で、若年層などが価格を理由に服用を諦める可能性があります。国は価格について検討し、女性が主体的に産むか産まないかを判断できる環境を整えるべきです。
心理的負担と今後の課題
薬剤師の面前での服用は心理的負担が大きいとの指摘もあり、薬剤師にはプライバシーに最大限配慮した丁寧な対応が求められます。緊急避妊薬は繰り返し服用すると身体に負担がかかるため、恒常的な避妊法としては推奨されていません。女性の心身の負担にならぬよう、正しい知識や利用法を周知していく必要があります。日本では人工妊娠中絶に配偶者の同意が必要とされる場合がありますが、同意が困難なケースもあり、女性の意思を尊重できる社会の実現が重要です。