囚人墓標58基がなぎ倒される 北海道月形町、器物損壊事件に
囚人墓標58基なぎ倒し 北海道月形町で器物損壊

北海道月形町の篠津山霊園で5月初旬、58基の墓標が何者かによってなぎ倒される器物損壊事件が発生した。被害に遭ったのは、明治から大正期に存在した樺戸集治監(後の樺戸監獄)で亡くなった囚人たちの墓標である。

現場の状況と関係者の声

現場に駆けつけた月形樺戸博物館の学芸員・野本和宏さんは、「過酷な労働の果てに亡くなった人たちを、こんな無残な目に遭わせるなんて」とやるせなさと憤りを語った。墓標は霊園の一角に整然と並んでいたが、現在は無残に倒され、一部は折れるなどしている。

歴史的背景

樺戸集治監は、明治初期の社会混乱期に、政治犯や重罪犯人を収容するために設置された。囚人たちは北海道開拓の過酷な労働に従事し、多くの命が失われた。野本さんは「センセーショナルな事件と流すだけでなく、背景にある歴史を知ってほしい」と訴える。

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明治初頭、佐賀の乱や西南戦争などの士族反乱が相次ぎ、その後も自由民権運動が激化。政治犯が急増し、収容施設が不足した。その受け皿として集治監が建設され、囚人たちは新政府に反抗する危険分子として扱われた。

再建への動き

地元では墓標の再建に向けた動きが始まっている。お盆までに再建を目指し、防犯カメラの設置も検討されている。関係者は「歴史の証しである墓標を守り、亡くなった人々の尊厳を取り戻したい」と話している。

この事件は、単なる器物損壊を超え、北海道開拓の歴史とそこで犠牲になった人々への敬意を問いかけている。

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