長崎市は30日、8月9日の平和祈念式典で鈴木史朗市長が読み上げる平和宣言について、現段階の文案を起草委員会に示した。この文案は、4月から5月にかけて米ニューヨークで開催された核不拡散条約(NPT)再検討会議が成果文書を採択できずに決裂したことを受け、核をめぐる国際情勢への強い懸念を表明する内容となっている。
NPT決裂への対応
鈴木市長は委員会後、再検討会議の決裂について「強い怒りを覚える」と述べ、核軍縮の停滞に対する危機感をあらわにした。文案では、核兵器の廃絶に向けた国際社会の協調が進まない現状を憂慮し、被爆地としての立場から核兵器の非人道性を改めて訴える方針だ。
委員の反応
この日の起草委員会では、委員から「全体的によくまとまっている」と賛同する声が上がる一方、「インパクトが足りない気がする」「戦争や紛争をしている国名を明記した方がいい」といった意見も出された。市はこれらの意見を踏まえ、7月に開かれる次回の委員会でさらに検討を進め、最終的な宣言文を決定する予定だ。
長崎市は毎年、原爆投下の日にあたる8月9日に平和祈念式典を開催し、市長が平和宣言を読み上げている。今年は被爆から81年目を迎え、核兵器のない世界の実現に向けたメッセージが一層注目される。



