LINEグループ作成指示で3840万円を送金 岡山で初確認のニセ社長詐欺
実在する経営者や代表者の名前を悪用し、社員に送金を指示する「ニセ社長詐欺」による被害が全国で相次いでいる。岡山県内では昨年12月、約3840万円をだまし取られる被害が初めて確認された。被害に遭った会社の社員は「社長からの指示だと思い、疑わずにだまされてしまった」と話しており、県警が注意を呼び掛けている。
社長名のメールに従いLINEでやり取り開始
岡山県警察本部によると、被害に遭ったのは総務課の経理担当社員。2025年12月下旬、「LINEのグループを作ってほしい」と社長名で書かれたメールの指示に従い、偽の社長とLINEでやり取りを始めたという。
ニセ社長からは、会社の資金を第三者の個人名義口座に送金するよう指示があり、社員はその日のうちに複数回にわたって計3840万円を振り込んだ。この会社では普段からLINEで社長が業務指示を行うことがあり、社員は「信じ切ってしまった」と県警に話したとされる。
全国で39件約5億4000万円の被害確認
警察庁の調査によると、ニセ社長詐欺の手口は、社員用メールでのやり取りからSNSのグループチャットに移行させるのが特徴だ。振り込み権限のある経理担当者などをグループに加えさせた後、「事業資金が至急必要」などと指示し、会社口座から送金させる。
同月中旬以降、各地で被害が相次いでおり、1月15日時点で39件、計約5億4000万円の被害が確認されている。巧妙化する手口に、企業の警戒が急務となっている。
岡山では別会社で1億円未遂事件も発生
岡山県内では今年1月中旬にも別の会社で未遂事件が発生した。同様に総務課社員らにニセ社長から1億円を指定口座に振り込むよう指示があったが、この時は違和感を感じた社員が本物の社長に直接確認し、なりすましが発覚した。
県警生活安全企画課犯罪抑止対策室の小川俊幸課長補佐は「顔が見えないSNSだけでのやりとりの怖さを正しく理解し、入金までのチェック体制を再確認してほしい」と強調する。
詐欺対策として3つのポイントを提示
小川課長補佐は具体的な対策として次の3点を挙げている。
- 社長に直接確認する:送金指示があった場合は、必ず電話や直接会って確認すること
- 送金ルールの整備と再確認:社内の送金手続きを見直し、複数人での承認を義務付ける
- SNSグループチャットの利用指示に警戒:業務指示が突然SNSに移行した場合は疑う姿勢を持つ
さらに「不審に思ったらすぐに警察に相談してほしい」と呼び掛けている。企業規模を問わず、経理担当者への教育と社内ルールの徹底が被害防止の鍵となりそうだ。



