JR東日本の法務担当社員が法廷を無断録音、4年以上継続し処分後も公表せず
JR東日本法務社員が法廷無断録音、4年以上継続し非公表 (28.03.2026)

JR東日本の法務担当社員が法廷を無断録音、4年以上にわたり継続

JR東日本(本社・東京都渋谷区)の法務担当社員らが、同社が当事者となる民事訴訟の法廷でのやり取りを、裁判長らの許可なく無断で録音していた事実が明らかになった。この無断録音は2021年まで少なくとも4年以上にわたり繰り返されていた。最高裁判所規則では、法廷での録音には裁判長らの許可が必要と定められており、違反する恐れがある行為である。

「正確な記録作成のため」と説明するも禁止行為を認識

社員らは社内調査に対し、「正確な記録を作るため」と説明したという。JR東日本によれば、無断録音に関する社員からの申告や匿名の内部通報が2021年11月頃にあり、2017年4月以降の期間について調査を実施。その結果、複数の法務担当社員が2017年から2021年にかけて、裁判長らの許可を受けずに、JR東日本が当事者となっている損害賠償請求事件などの民事訴訟の法廷を録音していたことが判明した。

多くの社員が会社のICレコーダーなどを使用しており、録音した内容をもとに記録を作成し、法務担当や関連部署で共有していた。録音は記録作成後に消去されていたという。訴訟記録は裁判所側に申請すれば後日原則として閲覧可能だが、社員らは「記録は簡易で、閲覧できるまでに時間がかかる」として、無断録音を続けていた。

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2022年に処分実施も公表せず、再発防止策を講じる

JR東日本は2022年、無断録音に関与した社員や上司、管理者らを処分した。しかし、事案の詳細や処分内容、人数、役職などは公表していない。今回の取材に対しても、これらの情報を明らかにしなかった。

同社は調査対象を2017年4月以降に絞っており、「いつから始まったかは明確にはわからない。社として指示はなかった」と説明。さらに、「録音していたほとんどの社員は、録音が禁止されていることを認識していた。禁止行為で社内資料を作成していたことは不適切」と回答した。

再発防止策として、本支社の法務担当社員らに対し、裁判所における録音の禁止を周知徹底。JR東日本は「コンプライアンスをつかさどる法務担当の社員が録音していたことは誠に遺憾」とコメントしている。

公表しなかった理由と裁判の公開原則

事案を公表しなかった点については、「適切な調査をし、関係者を処分し、再発防止に取り組んだことから公表しなかった」と説明した。裁判は憲法で公開が原則となっているが、録音は代理人弁護士や訴訟関係者も含めて禁止されている。最高裁判所規則により、録音には裁判長らの許可が必要と定められており、無断録音はこの原則に反する行為である。

この問題は、企業のコンプライアンス体制や内部統制の在り方に疑問を投げかける事例となっている。法務担当部門が自ら規則違反を犯していたことで、社内の倫理観や監督体制の強化が求められる状況だ。

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