佐賀県警科捜研のDNA鑑定不正、発覚後も証拠偽造の疑いが浮上
佐賀県警科学捜査研究所(科捜研)で発覚したDNA型鑑定不正問題において、虚偽有印公文書作成・同行使と証拠隠滅の罪で在宅起訴された元科捜研法医第1係主査の被告(42歳)が、県警が不正を把握した2024年10月以降も証拠を偽造していた疑いが、捜査関係者への取材で判明しました。
不正発覚後も継続した証拠偽造の疑い
起訴状や捜査関係者によると、被告は2024年2月から2025年2月にかけて、鑑定資料を紛失したことを隠蔽するため、計4回にわたり虚偽のガーゼ片を採取袋に入れて保管するなどして証拠を偽造したとされています。特に、窃盗と器物損壊の2事件については、県警が問題を認識した後の2025年1月頃から同年2月7日頃にかけて偽造が行われたと指摘されています。
この事実は、不正が公表された後も被告が証拠操作を続けていた可能性を示しており、捜査の信頼性に重大な疑問を投げかけています。
長期にわたる不正の全容と県警の対応
佐賀県警は2025年9月、被告が2017年から7年以上にわたり、計130件の鑑定で不正を繰り返していたことを公表しました。不正が発覚した2024年10月16日以降、県警は被告を2025年3月4日に年次休暇を取得するまで鑑定業務から外し、鑑定以外の業務に従事させていたと説明しています。
しかし、今回明らかになった発覚後の証拠偽造疑いは、この対応が十分ではなかったことを示唆しています。佐賀県警察本部の監察課は読売新聞の取材に対し、「起訴事実は検察庁の発表事項なので県警としてコメントすることはない」と回答しています。
警察庁による特別監察と再発防止策
この問題を受けて、警察庁は2025年10月から佐賀県警への特別監察を実施し、不正の原因分析や再発防止策の点検を進めています。監察では、証拠管理のプロセスや職員の監督体制の見直しが焦点となるとみられます。
この事件は、科学捜査の根幹を揺るがす重大な不祥事として、司法制度全体への影響が懸念されています。今後の捜査や監察の結果が注目されます。



