上野強盗事件で山口組弘道会幹部ら逮捕 背景に香港向け金取引の闇
上野強盗事件で山口組幹部逮捕 香港金取引の闇浮上

上野強盗事件で山口組弘道会幹部ら7人を逮捕 背景に香港向け金取引の闇

警視庁暴力団対策課は14日、1月に東京・台東区上野の路上で発生した強盗事件について、事後強盗の疑いで、特定抗争指定暴力団山口組弘道会傘下組織幹部の狩野仁琉容疑者(21)と職業不詳の小池恒児容疑者(47)ら男7人を逮捕した。事件では、香港に運ぶ予定だった約4億2000万円の現金が奪われていた。

「宝飾品の街」上野で発生した大胆な強盗

事件現場は「宝飾品の街」として知られるJR御徒町駅近くの路上。この地域には「高価買取」の看板を掲げた貴金属店が多数並び、金の売買が活発に行われている。現場近くで60年ほど営業を続ける宝飾工具店の男性店主は「金を売りたい人も買いたい人も増えており、取り扱う店は忙しい日々を送っている」と証言する。

警視庁の調べによると、被害者らは金を売却して得た現金を香港に空路で運び、現地通貨に両替して金を購入する予定だったという。同様の手口は1月30日未明にも羽田空港駐車場で発生しており、約1億9000万円を運んでいた男性らが催涙スプレーで襲われる強盗未遂事件が起きている。

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香港を舞台にした金取引の活発化と密輸の疑念

近年、国際情勢の不安定さを背景に金価格が高騰する中、税金がかからず外貨両替が活発な香港は、国境を超えた主要な金の調達先となっている。しかし、この活発な取引の陰で、金の密輸が横行している可能性が指摘されている。

日本では金の輸入時に10%の消費税が課されるが、密輸した金を国内で販売すればこの税を回避できる。財務省の統計がこの疑念を裏付けており、日本の金輸入量はここ10年横ばいで昨年は9トンだったのに対し、輸出量は229トンに達し、3年前の1.5倍に急増している。担当者は「国内の金採掘量が増えていないのに、この輸出量は説明がつかない」と困惑を隠さない。

現金輸送のリスクと記録を残さない取引の実態

一般社団法人「全国両替商防犯連絡会」の遠藤智彦代表理事は、上野と羽田の事件について「億単位の現金を警備員も雇わずに運ぶのはリスクが大きすぎる」と指摘する。さらに、電信送金ではなく現金を直接運ぶ手法については「銀行口座間のやりとりの記録を残したくないという意図以外に考えにくい」と疑問を呈している。

今回の事件では容疑者7人が逮捕されたものの、事件の全容はまだ明らかになっていない。警視庁暴力団対策課は、組織的な関与や内通者の存在を含め、事件の経緯を詳細に調査している。日本と香港を結ぶ金取引の闇に、暴力団組織がどのように関与しているのか、今後の捜査の行方が注目される。

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