埼玉栄高校の車横転事故、鍵管理怠った疑いで監督とコーチを書類送検
埼玉県さいたま市西区の埼玉栄高校で2024年11月に発生したグラウンド整備用車両の横転事故をめぐり、埼玉県警察は2026年3月6日、車の鍵の管理に関わっていたサッカー部の男性監督(43)と男性コーチ(38)の教諭2人を業務上過失致死傷の疑いでさいたま地方検察庁に書類送検した。両容疑者は容疑を認めているという。
事故の経緯と容疑内容
県警交通捜査課の調べによると、事故は2024年11月16日午後11時20分ごろ、同校グラウンドで発生した。部活動終了後、監督とコーチは車の鍵を無施錠の車内に置いたままにし、管理義務を怠った。これにより、男子生徒が無断で車を運転し、助手席に乗っていた男子生徒(当時17歳)が死亡、後部座席の男子生徒が軽傷を負った。
両容疑者は部活動の設備の安全点検と保管管理を担当する立場にあり、複数回にわたり車のミラーが落ちるなどの損傷を認識していた。生徒らが自動車を乗り回している可能性を予見できたにもかかわらず、適切な対策を講じなかった点が問題視されている。
容疑者の供述と学校側の対応
監督とコーチは車の損傷について「誰かが侵入していたずらをしたと思った」と供述し、生徒による乗り回し行為については知らなかったと主張している。特に監督だった教諭は、鍵を車内に置きっぱなしにした理由として「すぐにグラウンド整備ができるので、便利になると思った」と説明しているという。
学校側が設置した第三者委員会の報告書によれば、事故の約2年前から複数の生徒が無断で車に乗車する行為が続いていた。しかし、学校が実施したアンケートでは、こうした状況を「知っている」と答えた教職員は一人もいなかったことが判明している。
事故をめぐるその他の動き
この事故では、運転していた別の男子生徒(18歳)も2025年11月に自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで書類送検されている。遺族側は学校の安全管理のずさんさに対して「強い疑問」を表明しており、学校側も「痛恨の極み」として管理不備を認め、謝罪している。
県警の捜査は、教職員の監督責任と生徒の行為の両面から進められており、教育現場における安全対策の徹底が改めて問われる事態となっている。事故現場のグラウンドでは、2024年11月17日午前5時12分に撮影された様子が記録されており、事件の深刻さを物語っている。



