北陸電力志賀原発運転差し止め訴訟、株主の請求棄却 富山地裁判決
志賀原発差し止め訴訟、株主請求棄却 富山地裁判決

北陸電力志賀原発の運転差し止め訴訟、株主側の請求を棄却 富山地裁判決

北陸電力志賀原発1、2号機(石川県志賀町)の運転差し止めなどを求めた株主訴訟において、富山地裁(矢口俊哉裁判長)は2026年3月4日、株主側の請求を棄却する判決を言い渡しました。この訴訟は、同社の株主6人が取締役を相手に提起したもので、原発事故などによる回復不可能な損害の発生を懸念した主張が焦点となりました。

訴訟の背景と株主側の主張

志賀原発1、2号機は2011年から停止状態が続いていますが、北陸電力は2号機の再稼働に向けて原子力規制委員会に申請を行い、現在審査が進められています。今回の訴訟は、富山県と石川県に在住する株主らが2019年に起こしたもので、「北陸電力に回復できない損害が生じる恐れがある」と指摘。運転差し止めに加えて、核燃料の購入など再稼働を前提とした動きの禁止も求めていました。

株主側は、原発事故のリスクや周辺地域への影響を強調し、企業価値の毀損を防ぐためには運転を差し止める必要があると主張。しかし、裁判所はこれらの訴えを退ける判断を示しました。

判決の内容と今後の展開

富山地裁の判決では、株主側の請求を棄却する理由として、現時点で具体的な損害発生の証拠が不十分である点を挙げています。また、原子力規制委員会による厳格な審査プロセスが進行中であることから、差し止めを認める法的根拠が乏しいと判断しました。

この判決により、北陸電力は再稼働に向けた手続きを継続できる見通しとなりました。ただし、株主側は控訴する可能性も残されており、今後の司法判断が注目されます。原発を巡っては、安全性や経済性をめぐる議論が活発化しており、この訴訟結果が地域社会やエネルギー政策に与える影響も無視できません。

志賀原発をめぐっては、敷地内に推定活断層が存在するという指摘もあり、国土地理院と北陸電力の間で見解の相違が生じています。こうした技術的・環境的な課題が、再稼働の是非を左右する重要な要素となるでしょう。