大津保護司殺害事件、検察が無期懲役を求刑 弁護側は有期刑を主張し結審
大津市で発生した保護司殺害事件の裁判員裁判が、2026年2月24日に大津地裁で第4回公判を迎え、検察側と弁護側が最終的な主張を展開しました。事件は、2024年5月に保護観察中の飯塚紘平被告(36歳)が、担当保護司の新庄博志さん(当時60歳)を殺害したとされるもので、裁判では刑事責任能力の有無が大きな争点となっています。
検察側の主張:計画的で反社会的な犯行
検察側は論告で、飯塚被告の行為を「保護観察制度を攻撃する極度の反社会的犯行」と厳しく非難しました。具体的には、被告が新庄さんの首を最初に狙い、逃走に必要な準備をしていたことから、計画的かつ合理的な行動だったと指摘。完全な責任能力があったと主張し、無期懲役を求刑しました。
さらに、検察側は被告の動機について、自身の不遇を国に責任転嫁し、尽力した被害者を犠牲にした点を「理不尽で身勝手極まりない」と批判。傷が22か所に及ぶことから、執拗で残虐な犯行と評価し、現職の保護司らに与えた心理的ショックや制度への悪影響を強調しました。
弁護側の反論:心神耗弱状態を主張
一方、弁護側は最終弁論で、飯塚被告には何らかの精神疾患があり、自らの行動を制御できなかったと主張しました。具体的には、心神耗弱状態だったか、刑事責任能力がなかった可能性を指摘し、刑の軽減を求めました。
弁護側は、事件には被告の「一度決めたことに固執する特性」が影響していると説明。被告が反省の意を示していることも踏まえ、比較的長期ではあるものの有期刑が妥当と訴えました。飯塚被告自身も最終意見陳述で、「事件を起こしたことは人生で最大の間違いです。本当に申し訳ございませんでした」と謝罪の言葉を述べています。
事件の概要と今後の見通し
起訴状によれば、飯塚被告は2024年5月、新庄さんの自宅で面接中、ナイフとおので首や胸などを複数回突き刺し、切りつけて殺害したとされています。被告は初公判で起訴事実を認め、「守護神様の声に従ってやりました」と供述しており、裁判ではこの点も注目されました。
裁判はこの日で結審し、判決は2026年3月2日に言い渡される予定です。この事件は、保護観察制度のあり方や刑事責任能力の判断を巡り、社会に大きな議論を投げかけています。



