交通違反否認事件を「面倒」と虚偽処理、反則金自腹の巡査を停職処分
青森県警は2026年2月19日、交通違反で被疑者が否認している事件の捜査をしないで済むよう虚偽の書類を作成し、反則金1万8千円を自分で支払ったとして、警察署勤務の20代男性巡査を停職1カ月の懲戒処分としたと正式に発表しました。
「事件捜査が面倒だ」と転勤前に不正工作
県警監察課の発表によると、津軽地方の警察署に勤務していた巡査は昨年2月27日、交通取り締まり中に運転手が携帯電話で通話する違反を発見しました。当初、運転手は違反を認めていましたが、3月に入ってから一転して否認に転じたのです。
本来であれば、このような否認事件は正式な捜査手続きを経なければなりませんでした。しかし、巡査は4月の転勤が既に決まっていたため、「事件捜査が面倒だ。自分で反則金を支払って違反がなかったことにしよう」と考えました。この判断が重大な不正行為の始まりとなりました。
書類偽造と自腹支払いで事件隠蔽
巡査は考えた通りに行動に移しました。まず、正式な捜査書類を偽造し、事件が適切に処理されたかのように装いました。さらに、反則金1万8千円を自分の懐から支払い、違反が最初から存在しなかったかのような状況を作り出したのです。
この不正工作は一時的に成功したかに見えましたが、5月になって運転手側から「交通違反をなかったことにすると言われたのに、免許の点数が引かれていた」という趣旨の申し出があり、不正が明るみに出ることになりました。
時間経過で立件不能に
県警の調査によると、巡査の不正行為によって貴重な時間が浪費されてしまい、結果的にこの運転手の交通違反事件は立件不可能な状態に陥ってしまいました。証拠の収集や適切な捜査手続きを行う機会を失ったため、法的な処罰を科すことができなくなったのです。
この事態について県警関係者は、「警察官としてあるまじき行為であり、市民の信頼を損なう重大な不祥事である」と厳しく指摘しています。巡査の行動は、単なる手続き怠慢ではなく、組織的な信頼を揺るがす深刻な問題として認識されています。
懲戒処分の内容と今後の対応
青森県警は今回の不正行為を受けて、該当する20代男性巡査に対して停職1カ月の懲戒処分を科すことを決定しました。この処分は、警察官の服務規律に明らかに違反した行為に対する相応の制裁として位置づけられています。
さらに県警では、同様の不正が二度と起こらないよう、以下の対策を講じることを明らかにしました:
- 交通違反処理手続きの再点検と強化
- 警察官に対する倫理教育の徹底
- 監察体制の強化と内部通報制度の周知
今回の事件は、警察組織内部のモラルハザードが実際の事件処理に影響を及ぼす危険性を浮き彫りにしました。市民の安全と信頼を守るべき警察官による不正行為は、社会全体の司法制度に対する信頼を損なう重大な問題として、今後も厳しい監視の目が向けられることになりそうです。



