大川原化工機冤罪事件で警視庁元幹部らが賠償金を個人で支払い
機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)をめぐる冤罪事件において、警視庁公安部の元幹部ら3人が、東京都側が支払った賠償金の一部として、計528万円を個人で都に支払ったことが明らかになりました。警察関係者への取材で判明したこの動きは、都監査委員による「求償権」行使の勧告を受けたもので、同庁が3人に支払いを求めていたものです。
元幹部ら3人の詳細と支払い内容
支払いを行ったのは、公安部外事1課で捜査を指揮した渡辺誠警視(退職)と宮園勇人警部(同)、そして国家賠償請求訴訟の控訴審判決で違法な取り調べを認定された安積伸介警部補(肩書は全て当時)の3人です。大川原化工機側が住民監査請求を行い、都の監査委員が今年1月に監査結果を公表したことを受け、警視庁は渡辺氏と宮園氏に250万円ずつ、安積氏に28万円の支払いを通知しました。警察関係者によると、3人は今月10日までに求められた額を都に支払ったとされています。
監査委員は、渡辺氏と宮園氏については必要な追加捜査を怠った点に「重過失が認められる」と指摘し、安積氏については「故意があったといえる」と判断しました。これにより、求償権の行使が勧告され、個人負担が実現した形です。
事件の背景と賠償金の全容
この冤罪事件では、大川原化工機の社長らを逮捕・起訴した捜査が違法とされ、国賠訴訟の判決が2025年6月に東京高裁で確定しました。その結果、東京都などが賠償金約1億8500万円を支払っており、今回の個人負担はその一部に当たります。警視庁は「引き続き、再発防止に努めてまいります」とコメントしていますが、違法捜査をめぐる責任追及と再発防止策が社会的な関心事となっています。
事件は、化学機器メーカーとして知られる大川原化工機を舞台に、公安事件として捜査が進められたものの、後に冤罪と判明した経緯があります。関連ニュースでは、違法捜査の認定や現職警官の証言などが報じられており、司法と警察の在り方に一石を投じる事例として注目を集めています。
今回の個人負担は、公務員の過失や故意による損害賠償責任が現実化した稀有なケースであり、今後の捜査手法や監督体制の見直しを促す可能性が高いです。警視庁内部では、再発防止に向けた具体的な取り組みが求められる中、市民の信頼回復が重要な課題として浮上しています。



