「未解決事件被害者の会」初会合、遺族が思い語る 永野さん「犯人が捕まるまで語り続ける」
「未解決事件被害者の会」初会合、遺族が思い語る

福岡、佐賀両県の未解決事件の被害者や遺族が設立した一般社団法人「未解決事件被害者の会」が30日、佐賀県鳥栖市で初会合を開いた。メンバーの一人、北九州市の永野弘子さん(82)の長女・関岡晴美さん(当時34歳)が殺害されてから、6月で25年となる。永野さんは、「娘に理不尽なことをされて本当に悔しい」と今も変わらぬ心境を吐露した。

「犯人が捕まるまで語り続けることが私の使命。命ある限り」。永野さんは他の事件の被害者や遺族の3人と、同会の監事、社会福祉士と思いを語った。4月に法人化した後、一堂に会するのは初めてだ。4人がそれぞれ経験した事件のうち、関岡さんの事件のみ時効が成立していない。

心理的圧迫と闘う遺族たち

2000年に見知らぬ女に刃物で切りつけられ、同会で代表理事を務める福岡市の僧侶・鈴木薫さん(67)は、「未解決事件は『どこかに犯人がいて捕まっていない』という心理的圧迫が続く。諦めないで、解決に向けて協力したい」と永野さんに語りかけた。11年に山梨県甲斐市で発生したひき逃げ事件で、三男(当時24歳)を亡くした佐賀県小城市の平野るり子さん(73)も「逮捕されると信じている」と願った。

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事件後一変した生活

事件後、永野さんの生活は一変した。関岡さんの当時8歳の長女と、同4歳の長男の母親代わりとなって育て上げた。毎年6月には情報提供を呼びかけるビラ配りを続けている。

事件現場となった家には、娘が部活動で使っていた競技ダンスのユニホームなど思い出の品が残る。「晴美は『いつまで置いているの』と言いそうなんだけど。全て大事な思い出で整理できなくて……」。屈託のない笑顔を見せる娘の姿は今も脳裏に鮮明に浮かぶ。

同じ痛みがつなぐ絆

心の支えとなったのは、他の団体を通じて交流があった今のメンバーたちだった。未解決事件の被害者や遺族は、犯人が分からず、怒りのやり場にすら困る。「痛みが同じだから、一緒にいるだけで気持ちがつながる」と永野さんは語る。

今後の活動

当事者の思いを知ってもらおうと、同会は10月、メンバー以外の犯罪被害者の遺族を招いた集会を開く予定だ。犯罪の低年齢化が指摘されていることも踏まえ、来年以降は大学生との勉強会を開いたり、SNSで取り組みを発信したりすることも検討している。

佐賀県北方町(現・武雄市)で1989年に女性3人の遺体が見つかった殺人事件で母を亡くした60歳代の女性は、「未解決事件を人ごとだと思っている人もいる。関心を持ってもらいたい」と訴える。

活動のための浄財の振込先は、福岡銀行住吉支店「普通1610147」で、口座名義「一般社団法人未解決事件被害者の会」。

北九州市の主婦殺害事件の概要

若松区で2001年6月29日、関岡晴美さんが自宅で胸などを刺されて殺害され、福岡県水巻町の商業施設の現金自動支払機(CD)で、関岡さんのカードを使って約50万円が引き出された。県警はCDの防犯カメラに映った人物の写真を公開し、情報提供を呼びかけている。

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