埼玉県立小児医療センター(さいたま市中央区)で、白血病患者5人が抗がん剤の髄腔内注射後に神経症状を発症し、うち1人が死亡した問題で、同センターが設置した医療事故調査委員会は27日、報告書を取りまとめました。委員会は原因の特定には至らなかったものの、異物混入を防ぐための再発防止策を盛り込み、近く公表する方針です。
報告書の概要
委員会はこの日、市内で非公開の第3回会合を開催。センターによると、薬剤の発注から調剤、搬送、投与に至るまでの各工程を詳細に検証しました。その結果、投与する薬剤に異物が混入しないよう、薬剤を時間的および空間的に分けて取り扱うことや、複数人によるチェック体制をより厳格化することを定めました。
事故の経緯
センターでは昨年1月から10月にかけて、髄腔内注射を受けた10代の男性1人が死亡し、10代と10歳未満の男性2人が意識不明の重体となりました。3人の髄液からは、本来髄腔内注射に使用しない抗がん剤「ビンクリスチン」が検出されました。別の患者2人も神経症状を示しましたが、重篤化はせず、ビンクリスチンは検出されていません。
委員の見解
委員からは、再発防止策について「ビンクリスチン混入の原因特定は困難だが、過失、故意いずれの可能性にも対応しうる対策」との意見があったとされています。



