静岡市清水区を流れる興津川で20日午前5時、県内で最も早いアユ釣りが解禁された。初日から多くの愛好家が釣り糸を垂らし、川辺は活気に満ちていた。今季からは、従来のおとりアユを使った「友釣り」に加え、初めてルアーを使った「アユルアー」釣法も解禁され、釣りの幅が広がった。漁期は12月末まで続く。
解禁初日の様子
午前7時半ごろ、和田島橋付近では約30人の釣り人がさおを伸ばしていた。連日の晴天で水が透き通り、アユの姿が見えやすい好条件。「今年は大漁だ」との声も聞かれた。菊川市から訪れた横山講司さん(73)は、わずか1時間半で25匹を釣り上げ、「天然のアユの香りが楽しめる塩焼きにして妻と食べたい。近所にも配りたい」と笑顔を見せた。
ルアー釣り導入の背景
興津川非出資漁業協同組合によると、興津川のアユ釣り人口はこの10年間、毎年千人単位で減少している。この傾向を打破し、新たな愛好家を増やすため、組合は幅広い世代が手軽に楽しめるルアー釣りの解禁に踏み切った。ルアー釣りは道具が比較的安価で、初心者でも気軽に始められる利点がある。小林洋二代表理事組合長(65)は「ルアーをアユに追わせる手法は友釣りと同様。ルアー釣りの正しい知識と認知度を広めたい」と意気込みを語った。
賛否両論の声
新しい釣法の導入には、釣り人の間でさまざまな意見がある。清水区から訪れた佐藤芳之さん(55)は「ルアーがきっかけで釣りを楽しむ人が増えるのではないか」と期待を示した。一方、友釣りを楽しんでいた男性は「川を荒らされる可能性も考えられる。釣り人同士のトラブルが心配だ」と慎重な姿勢を見せた。
組合は今後、ルアー釣りのルールやマナーを周知し、共存を図る方針だ。興津川のアユ釣りは、新たな手法の導入により、さらなる盛り上がりが期待される。



