国立がん研究センターは19日、2019年から2023年にかけて調査した国内の約5万例のがん遺伝子検査データ分析において、2024年に公表した数値に誤りがあったと発表しました。プログラムの不具合が原因で、治療薬の標的となる遺伝子変異が見つかった割合を過小評価していたことが判明しました。
公表数値の誤りと訂正内容
当初、全体の15.3%と報告されていた遺伝子変異の割合は、正しくは21.5%であることが確認されました。この数値は、がん治療薬の開発や患者への治療方針に影響を与える重要な指標です。研究チームは、米科学誌「キャンサーディスカバリー」に掲載された論文についても、すでに訂正を完了しています。
がん種別の訂正点
特に、2種類のがんで遺伝子変異が見つかる割合が訂正されました。肺腺がんでは67.3%、浸潤性乳がんでは61.8%が遺伝子変異を有していました。これらの数値は、今後の治療選択や研究の方向性に重要な影響を与えると見られます。
分析の背景と今後の対応
今回の分析は、がんゲノム情報管理センターに集められた4万8627例のデータに基づいています。センターは、日本全国から収集されたがん遺伝子情報を一元管理し、研究や医療に活用しています。国立がん研究センターは、再発防止策としてプログラムの検証体制を強化し、今後のデータ分析の精度向上に努めるとしています。
この訂正により、遺伝子変異を標的とした治療の可能性がより多くの患者に広がることが期待されます。研究チームは、患者や医療現場への影響を最小限に抑えるため、迅速な情報提供と説明に努めると述べています。



