2021年10月31日夜、東京都調布市の京王線特急列車内で乗客10人が刺されるなどして、70代男性が死亡した事件で、殺人罪などに問われた無職の男(26)の裁判員裁判の判決が8日、東京地裁でありました。裁判長は「強い殺意に基づく危険極まりない犯行」として、検察側の求刑通り無期懲役を言い渡しました。
裁判長の判断
判決で、裁判長は「刃渡り約30センチのサバイバルナイフで複数の乗客を次々と刺すなど、その態様は極めて危険で殺意も強固だった」と述べました。また、犯行当日がハロウィンだったことについて「無差別に人を殺せば注目を集められるとの動機は身勝手極まりない」と非難しました。
弁護側の主張と争点
弁護側は事件当時、男は統合失調症の影響で心神喪失または耗弱状態だったと主張し、無罪や減軽を求めていました。しかし、裁判長は「事件当時、男は幻覚や妄想に影響されていた可能性はあるが、行動を制御できない状態ではなかった」と退け、完全責任能力を認めました。
- 検察側は「無差別殺人で社会に大きな衝撃を与えた」として無期懲役を求刑。
- 弁護側は「精神障害の影響で責任能力が減退していた」と主張。
事件の概要
事件は2021年10月31日午後8時ごろ、京王線の特急列車内で発生。男は乗客らを次々と刺し、さらに車内にライターオイルをまいて火をつけました。この事件で、乗客の男性(当時71)が首などを刺されて死亡し、他に乗客や乗員ら9人が重軽傷を負いました。男は現場で逮捕され、その後、殺人罪や殺人未遂罪などで起訴されました。
判決を受け、死亡した男性の遺族は「無期懲役で終わったが、命の重さを考えれば十分とは言えない」とコメント。一方、男の弁護人は「量刑は重すぎる」として控訴する方針を示しています。



